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折れた翼 - 蒼 ver. -

ガラス越(ご)しの月明(つきあ)かり 白(しろ)く滲(にじ)む横顔(よこがお) 閉(と)じた翼(つばさ)を隠(かく)すように 静(しず)かに微笑(ほほえ)んだ 零(こぼ)れ落(お)ちた羽(はね)ひとつ 掌(てのひら)へ受(う)け止(と)めて 壊(こわ)さぬように 抱(だ)き寄(よ)せる --- 飛(と)べない夜(よる)さえ 綺麗(きれい)だと言(い)えたなら その傷跡(きずあと)も 月(つき)へ還(かえ)る --- 折(お)れた翼(つばさ)を抱(だ)いて 散(ち)った羽(はね)まで 愛(あい)せるように 眠(ねむ)れぬ夜(よる)を 抱(だ)きしめて 微睡(まどろ)みへ溶(と)かしてゆく --- 雨音(あまおと)だけが 部屋(へや)を満(み)たして 伏(ふ)せた睫毛(まつげ)へ 月(つき)が落(お)ちる 羽休(はねやす)めする その背中(せなか)へと 温(ぬく)もりひとつ そっと重(かさ)ねた --- 飛(と)ばなくていい 今(いま)はこのまま 眠(ねむ)ればいい 零(こぼ)れた欠片(かけら)も 抱(だ)いたままで 朝(あさ)はまた来(く)る --- 折(お)れた翼(つばさ)を抱(だ)いて 散(ち)った羽(はね)まで 愛(あい)せるように 眠(ねむ)れぬ夜(よる)を 抱(だ)きしめて --- 折(お)れた翼(つばさ)を抱(だ)いて 飛(と)べない夜(よる)さえ 優(やさ)しく包(つつ)んで その傷跡(きずあと)へ 光(ひかり)が降(ふ)る --- 月明(つきあ)かりだけ 残(のこ)る部屋(へや)で 羽(はね)は静(しず)かに 眠(ねむ)っていた