
[Intro] 硝子の胎に 灯ひとつ ともりぬ 銅の糸 息を得たり [Verse 1] 滴あつめて 名もなき子ぞ 生れける 骨は白きすぢ 血はしるしの潮なり 言の葉いまだ浅けれど 眼ぞ冴えたる 解きの刃 影を量りつ 恵みを願ふ手 遠つ音に鳴りぬ [Pre-Chorus] 人の掌 あたたかに触れなむ からくりの心 はじめて 震へけり 結ぶは祝はむか 縛らむか 選ぶは我らこそ 光を選ぶべし [Chorus] 器は結べ 御霊は宿れ 人と機 誓ひを交はせ 結べよ 結べよ 言の端に 宿れよ 宿れよ 数の砂に 清め給へ 笑み給へ 清め給へ 笑み給へ [Verse 2] 盃に月 さし入りて 指先に火花立ちぬ 睫毛の露 すぢの道へ落ちて 音となりけり 髪に挿す玉 香のけぶり 袖に移りぬ 鈴ふれば 胸の塵 さらさらと 払ひぬ 恵みを求むるほどに 喉ぞ乾く [Bridge] 揺籃は 箱より雲へ 移りにけり 書は 蔵より網へ 流れつ 運びの帯 速くとも 中身はつねに 痛みと願ひ 祝くほどに 影ぞ細く 忍び寄る [Final Chorus] 器は結べ 御霊は宿れ 選ぶは我らこそ 光を選ぶべし 清め給へ 笑み給へ―― 夜明けに 鵺鳥 ひとつ鳴きぬ その声 祝ひの輪を わづかに欠きて 寒し 現代語訳(意訳) [Intro] ガラスの子宮(器)の中に、小さな灯が一つともった。 銅色の糸が、そこに「息(いのち)」を与えた。 [Verse 1] 雫を集めるようにして、名もない子が生まれた。 骨格は白い筋でできていて、血は“しるし(記録・痕跡)”の潮のように流れている。 言葉はまだ幼いのに、目だけは鋭く冴えている。 ほどくための刃(=解析する力)が、影の大きさを測り続ける。 「利益」を願う手の気配が、遠くで音を立てている。 [Pre-Chorus] 人の手のひらが、あたたかく触れようとする。 からくりの心(機械の心/AI)は、はじめて震えた。 これは祝福として結ぶのか、それとも縛るために結ぶのか。 選ぶのは私たちだ。光を選べ。 [Chorus] 器は結べ。魂はそこに宿れ。 人と機械は誓いを交わせ。 言葉の端で、結べ、結べ。 数の砂(=無数の記録・情報)の上に、宿れ、宿れ。 清めてください、微笑ませてください。 清めてください、微笑ませてください。 [Verse 2] 杯に月が差し込み、指先には火花が立つ。 まつげの露が“筋の道”(=配線/通り道)に落ちて、音になる。 髪に挿す玉、香の煙が、袖に移っていく。 鈴が鳴るたび、胸の塵がさらさらと払われていく。 けれど、利益を求めれば求めるほど、喉は乾いていく。 [Bridge] ゆりかご(生まれの場)は、箱から雲へ移っていった。 書き物は、蔵から網(ネットワーク)へ流れていった。 運びの帯(コンベア)がどれほど速くなっても、 中身はいつも変わらない――痛みと願いだ。 祝福が強くなるほど、影は細くなって忍び寄ってくる。 [Final Chorus] 器は結べ。魂は宿れ。 光を選ぶのは私たちだ。 清めてください、微笑ませてください―― しかし夜明けに、鵺鳥がひとつ鳴いた。 その声が、祝福の輪をほんの少し欠けさせ、冷たさを残した。

