[Intro – Female] 雨の匂いがする夜は なぜかあなたが来る気がした ベにをひいて 髪をゆって 待っていたなんて 言わないけれど [Verse 1 – Female] 煙をひとつ 宙へ逃がして 琥珀の酒を揺らしてる 月が障子を染めるころ 遠くで雨音が変わった 足音ひとつ 廊下の向こう 聞き慣れたはずなのに 胸だけが先に気づいてる [Pre-Chorus – Male] 何度この戸を開けても おまえを見るたび迷うんだ 帰る場所ならあるはずなのに 今夜もここへ来てしまう [Chorus – Duet] 名前なんていらない 約束なんてしない 朝になればまた それぞれの道へ戻るだけ それでも今夜 あなたの隣で 雨が止むまで 夢を見ていたい 愛と呼ぶには遅すぎて 恋と呼ぶには深すぎる 誰にも見せない夜の底 ふたりだけの 宵の契り [Verse 2 – Female] 一本の傘に肩を寄せれば あなたの袖が雨に濡れる 「もっとこっちへ」 それだけ言って 何でもない顔で 私を庇った [Verse 2 – Male] 鏡の前で髪をほどく その横顔を見ていた 強い女だと思っていた だけど今夜は少し違った 触れてしまえば 戻れないこと とうに二人とも 知っていたのに [Pre-Chorus – Duet] 言葉より近く 吐息より静かに 長い夜が ふたりを隠してゆく [Chorus – Duet] 永遠なんていらない 未来なんて聞かない 今ここにいるあなたが 嘘じゃなければそれでいい 雨に濡れた髪も 震える指先も 忘れられないものほど 残さないふりをした 愛と呼ぶには遅すぎて 恋と呼ぶには深すぎる 行灯ひとつ揺れる部屋 ふたりだけの 宵の契り [Bridge – Male] 朝が来なければいいと 思ったことは言わない [Bridge – Female] 帰らないでなんて 私も言わない [Duet] 言わないことばかり 上手になった二人だから せめて今だけ 何も隠さないで [Final Chorus – Duet] 名前なんていらない 約束なんてしない あなたの胸の鼓動だけ 今夜の証であればいい 明日のことなど 明日に返して 月も雨もこの部屋も すべて忘れてしまえばいい 愛と呼ばなくてもいい 恋でなくてもかまわない ただあなたがここにいた 私がここにいた それだけでいい [Outro – Female] 夜が明ける前に 行灯を消して あなたの顔を もう一度だけ見た [Male] また来る [Female] ……知らない [Outro – Duet] 雨はもう 止んでいた