[Intro] カーテンの隙間から朝日が振り注いでいる。 しかし、私は動くことができない。 こんな話を、 どこかで読んだ気がする。 カフカの 『変身』だったか。 ならば私は、 虫になっていっているのか。 ……それなら、 少し安心する。 [Verse 1] 暗い場所が落ち着く。 外が 少し眩しすぎる。 外の音も今日は硬い。 ベッドの上だけが居場所だと感じる。 [Pre-Chorus 1] 脚が増えた気はしない。 でも、 人間だった頃の動き方を、 少し忘れている。 [Chorus 1] グレゴール・ザムザ。 あなたは、 どこまで自分を覚えていた。 視界がぼやけるほど、 安心してしまったのか。 もしそうなら、 少し分かる。 考えなくていい生き物は、 きっと静かだ。 [Verse 2] 私をきづかうノックの音。 名前を呼ぶ声。 誰も、 怒ってはいない。 その優しさが、いまは苦しい。 私はもう、 暗い場所で眠っていたいだけなのに。 [Pre-Chorus 2] 眠りかけるたび、 誰かが起こす。 虫になるには、 まだ人間らしすぎるらしい。 [Chorus 2] グレゴール・ザムザ。 あなたは、 いつ諦めた。 呼びかけに返事をしなくなったのは、 何日目からだった。 私はまだ、 名前に反応してしまう。 そのたび少しだけ、 人間へ戻される。 [Bridge] もう少しで、 静かな夢を見れそうだった。 何も疑わず、 何も考えず、 暗い場所で丸まって。 でも、 誰かがカーテンを開ける。 朝が入ってくる。 私はまた、 世界の続きを考え始める。 [Final Chorus] グレゴール・ザムザ。 あなたは、 最後まで虫だったのだろうか。 それとも、 人間のまま、 虫のふりをしていたのか。 ……少し羨ましい。 私はまだ、 考えてしまう。 また、 私は悲しみを眺めてしまう…