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鍛高譚ブルース

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V4.5

鍛高譚 手に取らんでも いつもの棚に 置いてある 「要らんけど、あると落ち着く」 うちらも そういう関係やろ 別れる寸前の夜の風 「なんでそんなもん買うねん」って 怒鳴り合いより静かに ドア越しに 渡された紫蘇のビン 鍛高譚 きっとあれが “わかれへん”って意味やった 好きとか愛してるより あの香りが ちゃんと沁みた 渋くて やわらかくて うちらにちょうどええ味 鍛高譚 また今夜も レジ横の誘惑 見て見ぬふり 高級ワインよりうどんの汁 笑えて なんぼの夫婦やろ トミカに囲まれた足元で こっそりお酒を諦める夜 「えらいな」とは言わへんけど 心の中で乾杯してる 鍛高譚 選ばなくても うちらを繋ぐ味がある 名前にできひん気持ちごと 紫蘇の香りで 流し込んだ “ごめん”も“好き”も いまも棚に冷えてる あんたと飲む日は もうないけど 今日も冷蔵庫で待ってるよ