
なぜ 僕らは ここにいる 答えのない宇宙で 鼓動だけが確かだ 冷たい星のあいだから 生まれた微かな熱 突然変異みたいな夢が 言葉になっていく 砂時計 ひっくり返す手はない だから今を積む 意味はあとから来ると 風が耳打ちした 失われた地図の代わりに 掌(て)をひらく 呼吸を一つ 未来へ送る 生まれた理由は まだ名づけられない でも この瞬間(とき)に 灯(あか)りは点(とも)せる 「わたしはここにいる」と 君に伝わるまで 偶然の海に 旗を立てよう 泣くための涙じゃなく 乾く地面を潤す水 誰かの喉をうるおすたび 僕は少しわかる “本質は後から”と 矛盾を抱いて歩く 間違いの多い道だけが 人間のサイズだ 正しさより 確かさが欲しい夜 手を伸ばせば 体温は答える 生まれた理由は まだ名づけられない でも この瞬間に 灯りは点せる 「わたしはここにいる」と 君に届くまで 偶然の海に 旗を立てよう 迷った数だけ 道は増える 痛みの数だけ やさしさは深くなる ――それでいい、それがいい ここにいる理由は まだ進行形 生まれた理由が いつか言えるなら それは“君と出会えた”という文(フレーズ)だろう 「わたしたちはここにいる」 声が重なる場所で 偶然の海を 意味の海へ わたしはここにいる あなたもここにいる

