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ミルキダスの蛇 VS  ドルイド 2

攻撃をやめた男はおもしろくなさそうな顔つきである。 「あれ? 攻撃しないの?」 ドルイドが聞いた。 「普通に戦え。試すようなまねはやめろ」 「あらら、気づかれちゃった? ならばこういう感じで」 ドルイドの右手に気の塊でできた剣のような筋ができた。 男は左手を広げてその前に丸い平べったいバリヤーのようなものを出した。盾のようである。 「やるね」 ドルイドが気でできた剣で攻撃すれば、男は盾で防ぎ、その盾で攻撃もしている。ドルイドは今度は本気で男の相手をしていた。 それをかなり離れた木の側で、ハインリヒは眺めていた。やがて横にヴィクターがやってきた。 「なんであんなことになってるんだ?」 ヴィクターは、戦いの気配を感じて来たようだ。 「どう説明していいやら……」 ハインリヒは説明に困っていた。 「髪が長いのが例のドルイドだろう? もう一人は……だれだ?」 姿はミルキダスだが、身にまとう気はどうにもミルキダスに見えなかったらしい。 やがてあたりに人が集まってくると、ミルキダスになっている男はドルイドから離れて、「やめた」と言って去ってしまった。 ドルイド一人になったので、ハインリヒはヴィクターを誘ってドルイドに近づいた。 「将軍、彼がドルイドです。ドルイド、ヴィクター将軍だ」 ハインリヒはまずドルイドにヴィクターの紹介をした。 「ドルイドです。初めまして」 「噂はかねがね。さっきのミルキダスは一体どうしたんだ? らしくない戦い方だったが」 ミルキダスは敵との接近戦はあまり好まない方なのである。しかも、ドルイドとなぜ戦っているのか、ヴィクターにはさっぱりわかっていなかった。 「詳しくは王に聞いてほしいんですが、彼は今意識を別の者に乗っ取られている状態なんです。」 ハインリヒが説明した。 「え? 乗っ取られた?」 「彼は、悪いやつではないようだ。私が傷つかないようにしてた」 ドルイドが言った。ドルイドを傷つけるのが目的ではなく、自分の力が知りたかっただけなのかもしれない。 「お前も本気ではなかっただろう」 「だが、過去のようにはいかないし、まあおもしろかった。彼は、私とお前が嫌いらしい」 「え? なぜだ?」 「そりゃあまあ、思い当たる理由といったら……」 (嫉妬か……) そういう理由しかなかった。 「普通に会話をすれば目的も教えてくれるんじゃないだろうか。私もこれで失礼します」 ドルイドはヴィクターに頭を下げて、去って行ったのだった。