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🎙️ 追悼特別編:『久米宏なんですけど』・札幌のおもいでを

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【語り:久米宏風(少し声を落とし、慈しむような口調で)】 「いやぁ、思い出しました。あの札幌、HBCのスタジオでのこと。 東京送りの放送を終えて、堀井君やディレクターと連れ立って外へ出たら、一人のリスナーに声をかけられたんです。『ラジオ、聴いていましたよ』って。 一瞬、耳を疑いました。だって、北海道じゃ流れてない番組ですからね。 聞けばネットを使って、わざわざ遠い東京の電波を拾ってくれていた。 ……驚きました。と同時に、身体の芯が熱くなるような、あんなに嬉しいことはなかった。 僕たちはいつも、マイクの向こう側にいる『たった一人』に向かって喋っているつもりですが、まさか北の大地で、放送直後の僕を待っていてくれる人がいるなんて。 ラジオっていうのは、距離も、電波の壁も、ひょいと飛び越えてしまう。 あの時、札幌の冷たい空気の中で出会ったあなたの笑顔は、僕にとって何よりの勲章でした。 もう、こうしてマイクの前で皆さんに毒を吐くことも、わがままを言うことも叶わなくなりましたが……。 あの日、僕を見つけてくれたあなたのような人がいる限り、僕の言葉は、どこかの空で鳴り続けているような気がします。 寂しいなんて、言わないでください。 僕は今、雲海の上から、最高に解像度の高い景色を眺めているんですから。 ……あの日声をかけてくれて、本当に、本当にありがとう。