昨日までの足跡を 深い雪が 消していく 境界線のなくなった 空と地表の間で 私は立ち止まり 自分の輪郭を 探していた 吸い込んだ空気は 針のように 細く冷たい ​君が最後に 言った言葉も この寒さで凍りつく またねの響きだけが  ダイヤモンドダストに 紛れて、 触れようとすれば  指先をすり抜けて 名前のない季節が ただ静かに 降り積もる ​ ​真っ白な世界で  私は叫んだ 音さえ吸い込む この静寂の中で 色を失くした心が  求めているのは 君が灯した あの一筋の光 何もないから何でも 描けるはずだと 震える手で  明日を なぞり始めた ​ ​モノクロームの記憶が 少しずつ滲んでいく 孤独は絶望じゃなく ただの、 キャンバスだった 冷たさの向こう側に  春の鼓動を聴いた 氷の下で 命が目覚める 準備を している ​真っ白な世界に 私が色を差す 涙さえ忘れた この透明な場所で 失くしたものを数える 日々はもう終わり 君のいない景色を 歌で染めていこう 遮るもののない この地平線の向こうへ 一歩ずつ  新しい足跡を 刻んで ​ ​雪が止み 雪の切れ間から 光が落ちる 白く煙る吐息が 空に溶けて消えた 白の世界が、動き出す