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白い風花

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V5.5

白い風花 夜に舞い てのひらに一輪 淡く溶ける 遠い山の端に 月が細くかかる あなたと見た空も こんな色だったでしょうか 雪に残る足跡は あの日と同じようで けれど今は一つだけ 言えなかった言葉を 雪空に浮かべる 凍る水面に 白い風が渡る 胸の奥 静かに抱く 灯が消えぬよう 雪に静かに埋める この想いを隠すように 白く白く 重ねても あの日々は 今も煌めくようで 時は急げずに ただ夜を越えてゆく 遠い空の下 春の巡りを祈る 枝に宿る花の 兆しを見つめれば 過ぎた日の声が 胸の奥で響く 便りのない日も 寂しさとは呼ばず 積もる白さを 今日のしるしと呼ぶ 白に埋もれた蕾を まだ誰も知らぬように この心も 今は息をひそめて ただ積もりゆく雪は この願いを包むようで 遠く遠く 霞んでも あの日々は消えずに揺れている 霞む雪の向こう 遠ざかる列車 ただ消えるまで 見送った あの日から 私の上にも 静かに雪が 降り積もる もしもあなたも今 同じ空を見ているなら 名を呼ばずとも それだけでいい ほどけぬ糸を 指にかけるように ひとひらの冬を 胸に結ぶ 静かに降り積もる時は あなたにもきっと同じで 白く遠く 隔てても けれど私の灯は揺れない 時は急げずに ただ静かに夜を重ねる 遠い空の下 芽吹きを祈るように いつかまた巡る季節 雪に浮かべた言葉 今度こそあなたへ 伝えられますように