晩風はまだ 優しいまま 一人 ゆっくり歩く 街の分かれ道で 街燈の下の窓を數える あの頃君は 僕の落としたボタンを拾って 「日々をやり直さない?」と聞いた あの頃君は 僕の手を引いて 「お金が貯まったら世界旅行しよう」と言った あの頃の手のひらの溫もりがちょうどよくて 君がふと呟いた—— 「晩風はいつか 深い秋へ吹くんだね」 すべてを掠めていった 僕たちが果たせなかった未來ごと 殘されたのは 禮儀正しく頷く練習だけ 「離れても一緒だよ」 違う形で、殘そうって でも覚えている 泣きながら笑った君を 晩風はまだ 優しいまま 一人 ゆっくり歩く 街の分かれ道で 街燈の下の窓を數える 思い出を逃げ道に変える 言い訳なんて どこにもない ただの別の形の相守 君が去った後 僕は優しさを覚えたんだ 今でも探してる 交差點の向こうに 君がくれたボタン まだポケットにある 時間は何も 奪えやしなかった ただの別の形の所有 君が微笑んで 晩風に溶けていった 晩風はまだ 優しいまま 一人 ゆっくり歩く 街の分かれ道で 街燈の下の窓を數える 思い出を逃げ道に変える 言い訳なんて どこにもない ただの別の形の相守 君が去った後 僕は優しさを覚えたんだ たったひとつだけ——


