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さ・みだれ / Milia

V4

山から舞い降りる 田の神のため 「さ」に座る場所 座(くら)を重ね そこに咲いたのが 桜(さくら)だった 花が告げる 田おこしの時 桜(さくら) 咲けば 神が来る 早苗(さなえ) 植えて 実りを祈る 早乙女(さおとめ)は 清らかに 「さ」の月 五月(さつき)に風が巡る 五月の名は「さ」の月と知れ 実りの始まりを ただ一音に託し 雨は滴る さ水垂れ(さみだれ)となり 田を潤す 神のしずく ことばに宿る 祈りの力 「さ」は呼びかけ 「さ」は始まり 忘れられた音に 耳を澄ませば 私は 古の声を聴く 桜(さくら) 早苗(さなえ) 早乙女(さおとめ)の手 五月(さつき)の土に 希望を植えて 五月雨(さみだれ)が 心に沁みる 「さ」の音が 世界を包む ひとつの音に こめられた 神と人との 結びのしるし 「さ」の声が 今も生きている 桜(さくら) 早苗(さなえ) 早乙女(さおとめ)の声 五月(さつき)の土に 光を埋めて 五月雨(さみだれ)が 命を運ぶ 「さ」の物語 紡いでゆく 古の人は 田の神を呼ぶ音を 「さ」と名づけて 大地に刻んだ