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嘘と熱

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V5.5

蝉時雨が 窓を満たす プールの青が 壁を照らす 絵の具の匂い 午後の日差し 廊下を駆ける 上履き 嘘みたいに 光る今日が 教室の外で 手を振った ギターを背負った 急ぐ背中 中庭で揺れる 恋の噂 笑って 迷って 転んでも みんな明日を 選んでる 嘘みたいな 青い空 胸の奥まで 熱くなる 嘘と熱を 抱えたまま チャイムの先へ 走る今日 まだ名前のない願いでも 風に向かって 手を伸ばす 夏の真ん中 小さな声が 昨日の影を 追い越していく 放課後の窓際で 頬杖をついて眺めてた スマホの中の 誰かの夏が 眩しくて 少し辛かった 関係ないふりで 目を逸らす 期待するのが怖かった 映画の中なら 合図ひとつで 知らない街へ 走り出せる だけど放課後 合図は鳴らない 机の奥のノートを開いた 嘘みたいな 青い空 胸の奥まで 熱くなる 嘘と熱を 抱えたまま チャイムの先へ 走る今日 まだ名前のない願いでも 前へ小さく 踏み出してみる 夏の真ん中 小さな声が 閉じた時間を ほどいていく 西日が黒板を横切る 遠くで笑う声がする 校舎の影の あの背中も 立ち止まって 空を見ていた 転んだ後の 膝を払って 迷った顔で 前を見て 何も起きない今日の中で 静かに歩き出してた 嘘みたいな 青い空 胸の奥まで 熱くなる 嘘と熱を 抱えたまま チャイムの先へ 走る今日 選ばれるのを待たないで 自分で選んだ その日から 夏の真ん中 君の声が ここから先を 始めていく 映画みたいな 合図がなくても 特別な力が なくても 閉じた扉に 手をかければ 廊下の風が 駆けていく 開いたノートの 一行目に 行きたい場所を 書いてみる 誰かの夏を見送ったなら ここから先は 君の番だ