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宵花火

V5.5

[Intro] 風鈴がひとつ 夜を揺らして 遠くで祭囃子が滲む 見上げた空に 光が昇る 夏が終わる音がした [Verse 1] 夕暮れ残る 川沿いの道 浴衣の袖を夜風が撫でる 金魚の袋 揺らしながら 人波の中 空を見上げた ひゅるり ひゅるり 細い光が駆けて ほんの一瞬 夜が昼になる 赤く咲いて 青くほどけて 名前も知らない花になる 綺麗なのに どうしてだろう 少しだけ 寂しくなる [Pre-Chorus] 消えると知っているから こんなにも目を離せない 瞬きさえ惜しいほど 短い夏の夢 [Chorus] 咲いて 咲いて 宵花火 夜空いっぱい 夢を描いて 触れられない光だから こんなに綺麗なのでしょう 散って 散って 宵花火 ひとつ残らず闇へ帰って 胸に残った光だけが いつまでも消えないまま もう少し あと少しだけ 夏よ 終わらないで [Verse 2] 賑わう声も遠くなって 屋台の灯りもひとつ消える 下駄の音だけ響く帰り道 夜風が少し冷たくなった ラムネの瓶に残った 小さなビー玉みたいに 過ぎた時間を閉じ込めて 持って帰れたならいいのに 何千発と咲いた夜も 朝になればただの空 それでも人は また来年も 同じ場所から空を見る [Pre-Chorus] 終わりがあるからこそ 美しいものがあるなら この寂しさまできっと 夏がくれたもの [Chorus] 咲いて 咲いて 宵花火 夜の静寂を染め上げて 赤も 青も 金色も 瞬くたびに遠くなる 散って 散って 宵花火 光の欠片 風にほどけて 忘れたくない景色だけ 心の奥へ落ちてゆく もう一度 あと一度だけ 空を染めて [Bridge] 静かになった川面に 遅れて光が揺れている 空ではもう 消えたはずなのに 水の中では まだ咲いていた まるで記憶みたいだね 過ぎ去ったあとほど 綺麗に見える [Last Chorus] 咲いて 咲いて 宵花火 今年最後の夜を照らして 言葉にならない想いまで 全部まとめて空へ連れて 散って 散って 宵花火 夏の向こうへ消えてゆけ 寂しいけれど 悲しいけれど この瞬間を忘れない 夜空いっぱい咲いたあと 残った静けさ抱きしめて またいつか この場所で 同じ花火を見られたら [Outro] ひゅるり ひとつ 空へ昇って ぱっと咲いて そっと消えた 風鈴がまた 夜を揺らす 夏の終わりに 振り返れば 遠い夜空に まだ咲いている 宵花火