
J-popの館さんの『奇行戦記バリグナー II』シリーズ Beyond the Dreamをリミックスさせていただきました😊 リミックスに関する詳細、原曲はこちらです👇 https://suno.com/s/FIirxdqfhsFsVaFZ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 🎬✨奇行戦記バリグナー II サイドストーリー 『Beyond the Dream ―約束の帰還路―』 🌙🦉歌詞はサイドストーリーの後に記載しています🛡️✨ 🦉🛡️ Lyrics are listed after the side story. 🌙✨ 前回のあらすじはこちら👇 『NEON ORBIT ―呼び声の軌道―』 https://suno.com/s/47Ugy1TDvFEeKJfJ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 登場人物: 地球連邦 🛡️ YORU 搭乗機:Varigner NIGHT OWL ズレトルニア帝国 🌙 ルチチ(Lucici / ルシルチア・ノクターン) 搭乗機:ASMODEUS ━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 【導入ナレーション】 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 「……聞こえている」 長いノイズの向こうから届いた、 たった一言。 それは、 失われたものを取り戻した言葉ではなかった。 兄が戻ってきたわけでもない。 すべてが解決したわけでもない。 それでもルチチにとっては、 その一言だけで十分だった。 自分の声は、 届いていた。 中立軌道都市《LYRA-6》。 旧通信管制塔。 巨大な展望窓の向こうでは、 青や紫のネオンが人工の夜を静かに照らしている。 通信端末の黒紫の波形は、 すでに消えていた。 そこに残っているのは、 かすかな残響と、 まだ温度の残る沈黙だけ。 ルチチは深紅のパイロットスーツの胸元を押さえる。 その隣で、 白と青のパイロットスーツ姿のYORUが、 静かにモニターを見つめていた。 互いに機体でここへ来て、 同じ信号を追い、 同じ一言を聞いた夜。 けれどその夜は、 まだ終わらなかった。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 【Scene 1:途切れたあとに残るもの】 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 旧通信塔には、 機械の低い駆動音だけが残っていた。 ルチチはゆっくりと息を吐く。 【ルチチ】 「……聞こえてたんだね」 【YORU】 「うん」 【ルチチ】 「ずっと、届いてないと思ってた」 YORUはすぐには何も言わなかった。 簡単に励ますより、 今はこの静けさを壊さない方がいい気がしたから。 やがてYORUは、 波形の消えた画面を見たまま小さく答える。 【YORU】 「届いてたよ」 【ルチチ】 「……うん」 ルチチは俯き、 それから少しだけ笑った。 泣きそうで、 でも泣き崩れるほどではない、 そんな不安定な笑みだった。 【ルチチ】 「なんか変だね。 まだ何も戻ってきてないのに……」 【YORU】 「でも、なくなってなかった」 ルチチはその言葉を、 胸の中でそっと繰り返す。 なくなってなかった。 会えなくても。 帰ってこなくても。 今すぐ隣にいなくても。 声はまだ、 途切れきってはいなかった。 その時だった。 YORUの端末に、 鋭い警告音が鳴り響いた。 静かな旧通信塔に、 あまりにもはっきりとした軍用アラート音だった。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 【Scene 2:別々に届く命令】 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━ YORUはすぐに端末を開いた。 表示された認証コードを見た瞬間、 その目つきがわずかに変わる。 連邦軍の最優先通信。 【YORU】 「……緊急帰艦命令」 【ルチチ】 「え……?」 【YORU】 「所属艦ジークフリートへ直ちに帰還。 戦闘配置命令に備え、即応待機……」 まだ詳細はない。 敵の正体も、 戦場の場所も書かれていない。 けれど、 ただ事ではないことだけはすぐに分かった。 ルチチも反射的に、 自分の端末を確認する。 帝国軍回線。 認証済み。 新着なし。 もう一度確認する。 それでも何も来ていない。 【ルチチ】 「……こっちは何も来てない」 【YORU】 「うん」 【ルチチ】 「同じ信号を追ってたのに」 【YORU】 「でも、所属は別だから」 停戦後の世界。 同じ願いを持っていても、 同じ命令が届くとは限らない。 同じ空を見上げていても、 帰る場所はまだ別々だった。 ルチチは端末を握ったまま、 しばらく黙り込む。 やがて小さく、 それでも誤魔化せない声で言った。 【ルチチ】 「YORU……行っちゃうんだね……」 YORUは少し困ったように笑う。 【YORU】 「うん。命令だからね」 そのあと、 ほんの一瞬だけ言葉を選ぶように沈黙してから、 ルチチの目をまっすぐ見た。 【YORU】 「でも……ちゃんと帰ってくるよ」 【YORU】 「約束する」 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 【Scene 3:約束の重さ】 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ルチチはその言葉を聞いて、 すぐには返事ができなかった。 大丈夫なのかと聞きたかった。 危なくないのかと聞きたかった。 でも、 そんな問いにYORUが簡単に答えられる状況じゃないことも、 分かっていた。 だからこそ、 YORUは「大丈夫」とは言わず、 「帰ってくる」と言ったのだろう。 ルチチは一歩だけ近づく。 そして、 YORUの袖口をほんの少しだけつまんだ。 強くではなく、 確かめるように。 【ルチチ】 「……約束だからね」 【YORU】 「うん」 【ルチチ】 「絶対、忘れないでよ」 【YORU】 「忘れないよ」 少しだけ空気を和らげるように、 YORUはやわらかく笑った。 【YORU】 「まだ、ルシオンさんとちゃんと話せてないでしょう?」 ルチチが目を瞬かせる。 【YORU】 「次にまた声が届いたら、 今度はもっとちゃんと話したいんでしょ?」 【ルチチ】 「……うん」 【YORU】 「だったら私も、 ちゃんと戻ってこないとね」 あまりにもYORUらしい言い方で、 ルチチは泣きそうになりながら少しだけ笑った。 【ルチチ】 「ずるい」 【YORU】 「え?」 【ルチチ】 「そうやって先に、 安心させること言うの」 【YORU】 「安心した?」 ルチチは少し考えて、 小さく頷いた。 【ルチチ】 「……少しだけ」 【YORU】 「じゃあよかった」 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 【Scene 4:LYRA-6 機動兵器ドック】 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 二人は旧通信塔をあとにし、 連絡通路を並んで歩いた。 窓の外では、 ネオンの海を小型船の灯りが静かに流れていく。 やがてたどり着いたのは、 LYRA-6の外縁部にある機動兵器用ドック。 そこには二機の機体が、 静かに並んで待機していた。 白と青の装甲に、 大型シールドを備えたVarigner NIGHT OWL。 深紅と黒の鋭い機影を持つ、 Lucici専用機 ASMODEUS。 二機ともすでに待機状態にあり、 出撃可能なコンディションを保っている。 けれど今、 動けるのは一機だけだった。 ルチチはASMODEUSを見上げ、 それからNIGHT OWLへ視線を移す。 【ルチチ】 「私も行けたらいいのに」 【YORU】 「……うん」 否定はしなかった。 行きたい気持ちは本物だと、 YORUにも分かっていたから。 【ルチチ】 「でも、勝手には動けないもんね」 【YORU】 「今はね」 ルチチは少しだけ驚いてYORUを見る。 【YORU】 「命令が来たら、その時はきっとルチチも行く」 【ルチチ】 「……そうかな」 【YORU】 「うん。 その時は、私の方が先に待ってるかも」 【ルチチ】 「それ、無事でいてくれないと困るんだけど」 【YORU】 「だから、帰ってくるって言ったでしょ」 ドックの照明の下で、 ルチチはようやく少しだけ自然に笑った。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 【Scene 5:NIGHT OWL 発進】 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━ YORUはNIGHT OWLの足元へ立つ。 装甲越しでも分かる、 慣れた存在感。 守るために前へ出るための機体。 誰かを倒すより、 誰かを生かして帰すための翼。 搭乗リフトが上昇し、 コックピットハッチが静かに開く。 乗り込む直前、 YORUは振り返った。 ASMODEUSの前に立つルチチが、 こちらを見ている。 強がってはいるけれど、 不安が消えたわけではない。 それでも、 引き止めなかった。 【ルチチ】 「YORU」 【YORU】 「うん?」 【ルチチ】 「……行ってらっしゃい」 ほんの少しだけ間を置いて、 もう一度。 【ルチチ】 「ちゃんと帰ってきて」 YORUは静かに頷く。 【YORU】 「うん。行ってきます」 【YORU】 「約束だから」 ルチチも、 今度は迷わず頷いた。 【ルチチ】 「……うん。約束」 YORUはコックピットへ乗り込む。 ハッチ閉鎖。 起動シーケンス開始。 NIGHT OWLのメインセンサーが、 青白く灯る。 推進系、正常。 通信系、正常。 航法系、正常。 機体がゆっくりと浮き上がり、 ドック外縁の発進レールへ移動する。 ルチチはその姿を見つめたまま動かない。 やがて、 外部ゲートが開いた。 ネオンの光に縁取られた人工都市の外へ、 黒い宇宙が静かに広がる。 【YORU】 「Varigner NIGHT OWL、ジークフリートへ帰投します」 青白い噴射光が灯り、 NIGHT OWLはまっすぐ宙へ飛び出した。 その軌跡は短く、 けれど迷いなく暗い宇宙を切っていく。 ルチチは小さく呟いた。 【ルチチ】 「……いってらっしゃい」 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 【エピローグ】 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 地球連邦旗艦ジークフリート。 その格納区画へ、 NIGHT OWLは無事に帰投した。 係留アームが機体を固定し、 整備クルーたちが慌ただしく動き始める。 通常待機とは違う空気。 説明のつかない緊張が、 格納庫全体に広がっていた。 YORUはコックピットの中で短く息を吐く。 さっきLYRA-6で交わした言葉が、 まだ胸の中に残っている。 ――約束だからね。 YORUは操縦桿に手を置いたまま、 小さく答えるように呟いた。 【YORU】 「うん。 ちゃんと帰るよ」 一方その頃。 LYRA-6の機動兵器ドックでは、 ASMODEUSがまだ静かに待機したままだった。 その前に立つルチチの端末へは、 まだ何の命令も届かない。 行きたくても行けない夜。 それでも彼女は、 ただ待たされているだけではなかった。 兄の声が届いたこと。 YORUが帰ると約束したこと。 二つの灯りを胸に、 ルチチは暗い発進ゲートの向こうを見つめる。 やがて宇宙のどこかで、 新たな警報が鳴る。 所属不明機動兵器部隊。 地球連邦、および帝国軍管轄宙域へ侵攻。 静寂は終わり、 翼たちは再び戦場へ向かう。 けれどその始まりの少し前に、 確かにあったものがある。 それは、 ひとつの声。 ひとつの約束。 そして、 まだ別々の場所にいながらも、 互いを見失わないと決めた心だった。 ――つづく。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━ "The English lyrics are listed below after the Japanese lyrics." 途切れたノイズの 向こうから たしかに届いた 短い声 胸の奥に残る ぬくもりを まだ消さないで 見つめてた 静けさを裂いて 灯る合図 あなたの横顔が 変わってく 同じ場所に 立っているのに 次の空だけ 違っていた 行かないでなんて 言えないから せめて笑って 送り出すよ 「帰ってくる」そのひとことを 何度も胸で 結びなおす 離れていても 見失わない あなたがくれた 約束の灯 夢の向こうへ 飛んでゆくなら ここで私は 帰りを待つよ 青い機体と 紅い翼 並んだままで 時が止まる 動き出すのは あなたの方 私はここで その背を見てる 隔てる扉が 閉じてゆく それでも心は 閉じないまま 遠くなるほど 強くなる声 「約束だから」 届いてほしい 行ってらっしゃい 震える声で 言えた自分を 信じてみる あなたが選ぶ 守る強さを 私はここで 信じている 離れていても 同じ夜空 それぞれの場所で 光を追う 夢の向こうで また会えるよう この約束を 離さないから もしも不安が 名前を呼んでも もう引き止めたりは しないよ あなたが帰る 場所のひとつを 私はここで 灯している ちゃんと帰るよ 帰ってきてね ただそれだけを 夜の向こうへ そっと放つよ 勝つことよりも あなたらしく 誰かを守って 帰ってきて 離れていても 見失わない あなたもきっと そう思うから 夢の向こうへ 続く帰還路 その先でもう一度 笑おう 青い光が 小さくなって 窓の向こうへ 消えてゆく 「約束だから」 そう呟いて 私はここで 明日を待つ ─────────────── From somewhere past the fading noise A little voice came through to me I held the warmth it left in my heart And watched it there, not letting go A sudden signal breaks the silence I see the change across your face Though we are standing side by side The sky ahead has changed its way I cannot ask you not to go So I'll send you off with a smile “I'll come back” — I hold those words And tie them to my heart again No matter how far, I won't lose sight The promise-light you left with me If you must fly beyond the dream I'll stay right here and wait for you Blue machine and crimson wings Standing still as time goes quiet You're the one who starts to move I stay behind and watch you go The doors between us slowly close But I won't let my heart close too The farther you go, the stronger it calls Let “it's a promise” reach you now Go safely now, my trembling voice I trust myself for saying it The strength you chose, the strength to shield I will believe in from right here Even apart beneath one night We chase the light from different skies So we can meet beyond the dream I won't let go of this promise now Even if fear should call your name I won't hold you back anymore One of the places you can return I'll keep its light alive right here I'll make it back to you Come back to me, that's all I ask I send it softly through the night More than a victory, stay true to you Protect someone and come back home No matter how far, I won't lose sight I know you feel the same somehow The road back home beyond the dream We'll smile together at its end Your blue light slowly fades away Beyond the window, out of sight “It's a promise,” I whisper low And wait right here for tomorrow

