(ふわり) 夜がゆっくり傾く 月はまだ途中 観覧車の骨がきしむ音 アイスクリームが溶ける速度 知らない鳥の影が伸びて 夕焼けをはみ出していく ポケットの中の星くずが 体温で少し光った 真空フラミンゴ 片足で浮かんでいる 重力のない会話を まじめな顔で続けよう アスファルトに咲くサボテン 自動ドアはため息をつく 遠回りする流れ星 信号はずっと青のまま 名前を持たない風が吹く 記憶はハッカの匂い 世界は少しだけ傾いて それでも落ちはしない 真空フラミンゴ 静かに羽ばたいて 意味のない約束を 宝物みたいに抱えて (ふわり) 夜はまだ途中 夢はまだ地上