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あの頃の僕

君が言った 「もう私、無理よ」って 僕はそれを聞いて 何も言い返せなかった 言い返してしまったら 本当に君がいなくなる気がして 何も言わなければまだ 明日も会えるような気がしてた でも君は帰ってこなかった 時間が過ぎるたびに 答えられなかったことが苦しくなる あの時は出てこなかったくせに 今になって言葉が溢れてくる 「ごめんね」とか 「行かないで」とか そんな簡単なことだったのに 夢の中なら間違えても 何度だってやり直せるけど 現実は一回きりだからって 慎重になりすぎた僕は 結局、何も言えなかった 君がいなくなったあとで 君の嫌だったところより 好きだったところばっかり 思い出すのはずるいよな 朝起きて なんとなく携帯を見て 君から何も来てないことに まだ少しだけ驚いてる もう来ないって 分かってるはずなのに 時間が過ぎるたびに 君が遠くなっていくはずなのに どうしてあの日だけは 昨日みたいに思い出せるんだろう 君の声も 君の顔も 最後に言ったあの言葉も 全部覚えているのに 僕が何も言わなかったことだけ 忘れたくて仕方ない もしあの日に戻れても 上手なことなんて言えないと思う 格好悪くても 情けなくてもいいから 「まだ一緒にいたい」 それだけ言えばよかった 言い返したら君がいなくなると思って 黙っていた僕の前から 結局、君はいなくなった あの日からずっと 僕だけが会話の途中にいる 君の「もう無理」に 今さら返事をするなら 僕はまだ 無理じゃなかったよ。