【Mountain String Intro】 (Banjo × Fiddle × Distorted Guitar) 【A1 – Ground View】 【Singer A】 最初(さいしょ)の坂(さか)は まだ笑(わら)えた 鞄(かばん)の水(みず)も 軽(かる)く揺(ゆ)れた だけど十歩(じゅっぽ) 二十歩(にじゅっぽ) 石(いし)の角度(かくど)が 空(そら)へ向(む)く 息(いき)を吸(す)って 吐(は)いて また吸(す)って また吐(は)いて 会話(かいわ)はだんだん 短(みじか)くなって 足音(あしおと)だけが 返事(へんじ)をする 【Singer B – Airy Echo】 まだ行(い)ける? 【Singer A】 わからない 【Singer B】 戻(もど)りたい? 【Singer A】 それも わからない 【Duo】 だから 次(つぎ)の一歩(いっぽ)だけ決(き)める 【Bluegrass Turnaround】 【Singer A】 制服(せいふく)の背中(せなか)に 汗(あせ)が広(ひろ)がる 結(むす)んだ髪(かみ)が 首(くび)に張(は)りつく きれいな景色(けしき)を 見(み)に来(き)たはずなのに 見(み)えるのはずっと 靴(くつ)の先(さき)だけ でも靴(くつ)の先(さき)は 止(と)まっていない 一歩(いっぽ)ぶんずつ 上(うえ)を向(む)いている 空(そら)を見(み)られない この時間(じかん)にも 私(わたし)は確(たし)かに 空(そら)へ近(ちか)づいている 【A2 – Stone Markers】 杉(すぎ)と檜(ひのき)の 深(ふか)い影(かげ) 昨日(きのう)の雨(あめ)が 石畳(いしだたみ)に残(のこ)る その道端(みちばた)に 立(た)つ丁石(ちょういし) 古(ふる)い文字(もじ)が 進(すす)む距離(きょり)を伝(つた)える 貞治二年(じょうじにねん) 遠(とお)い時代(じだい)から ここを登(のぼ)った 数(かぞ)えきれない足(あし) 苦(くる)しかった人(ひと) 歌(うた)った人(ひと) 黙(だま)って石(いし)に 手(て)を置(お)いた人(ひと) その声(こえ)は 残(のこ)っていない 名前(なまえ)も 確認(かくにん)できない だけど擦(す)れた道(みち)が そっと教(おし)える ひとりだけで できた道(みち)じゃない 【Singer A】 今日(きょう)の私(わたし)が 踏(ふ)める石(いし)は 【Singer B】 昨日(きのう)までの誰(だれ)かが 守(まも)った石(いし) 【Singer A】 見(み)えない手(て)から 受(う)け取(と)った道(みち)を 【Duo】 今度(こんど)は私(わたし)が 次(つぎ)へ残(のこ)す 【Ridge Hook One】 息(いき)が切(き)れるほど 空(そら)に近(ちか)い 止(と)まって見(み)えても 私(わたし)は登(のぼ)っている 【Banjo Break】 【B1 – Sky View】 【Singer B – Crane Perspective】 地上(ちじょう)から見(み)れば 長(なが)い坂(さか) 空(そら)から見(み)れば 緑(みどり)の線(せん) 小(ちい)さな帽子(ぼうし)が 木々(きぎ)の間(あいだ)を 一歩(いっぽ) また一歩(いっぽ) ゆっくり動(うご)く 速(はや)くなくていい 飛(と)べなくていい 翼(つばさ)がなくても 山(やま)は登(のぼ)れる 休(やす)んだ時間(じかん)も 道(みち)の一部(いちぶ) 立(た)ち止(ど)まる場所(ばしょ)も 高さに変(か)わる 【Singer A – Ground】 空(そら)からなら 簡単(かんたん)に見(み)える? 【Singer B – Sky】 ううん 震(ふる)える膝(ひざ)も見(み)えている 【Singer A】 遅(おそ)すぎるって 思(おも)わない? 【Singer B】 昨日(きのう)より高(たか)い それで十分(じゅうぶん) 【White Crane Fiddle Theme】 寺伝(じでん)では 老杉(ろうさん)の梢(こずえ)に 雌雄(しゆう)二羽(にわ)の 白鶴(しらつる)が舞(ま)い降(お)りた 小(ちい)さな黄金(おうごん)の 地蔵菩薩(じぞうぼさつ)を 左右(さゆう)の翼(つばさ)で 守(まも)るように 弘法大師(こうぼうだいし)は その光景(こうけい)を見(み)て 霊木(れいぼく)から 大(おお)きな地蔵尊(じぞうそん)を刻(きざ)む 一寸八分(いっすんはちぶ)の 黄金(おうごん)の願(ねが)いを 三尺(さんじゃく)の胸(むね)へ そっと納(おさ)めた 小(ちい)さいからこそ 守(まも)られるもの 静(しず)かだからこそ 聞(き)こえるもの 強(つよ)い翼(つばさ)の 中心(ちゅうしん)にあるのは 傷(きず)つけたくない 小(ちい)さな光(ひかり) 【B2 – Roles Exchange】 【Singer B – Now on the Ground】 坂(さか)がもっと 急(きゅう)になる 太腿(ふともも)が 重(おも)くなる さっきまで空(そら)を 歌(うた)っていた声(こえ)も 今(いま)は一音(いちおん)ずつ 途切(とぎ)れていく 【Singer A – Now in the Sky】 それでも聞(き)こえる 小(ちい)さな歌(うた) 木漏(こも)れ日(び)を縫(ぬ)って ここまで届(とど)く 上手(じょうず)じゃなくても 長(なが)くなくても 息(いき)の間(あいだ)にある 本当(ほんとう)の歌(うた) 【Singer B – Ground】 一(ひと)つ登(のぼ)って 三(みっ)つ休(やす)む 【Singer A – Sky】 三(みっ)つ休(やす)んで また一(ひと)つ登(のぼ)る 【Singer B】 それでもいい? 【Singer A】 その繰(く)り返(かえ)しが 山頂(さんちょう)へ続(つづ)く 【Duo】 誰(だれ)かの速(はや)さを 借(か)りなくていい 私(わたし)の呼吸(こきゅう)で 今日(きょう)を登(のぼ)ろう 【Ridge Hook Two】 息(いき)が切(き)れるほど 空(そら)に近(ちか)い 苦(くる)しいこの場所(ばしょ)が 昨日(きのう)より高(たか)い 【Banjo and Fiddle Chase】 【Instrumental Ascent】 (Banjo leads) (Fiddle overtakes) (Distorted guitar answers) (Mandolin climbs higher) 【Summit – Half Time Rock】 突然(とつぜん) 坂(さか)が終(お)わる 仁王門(におうもん)の向(む)こう 空気(くうき)がひらく 標高(ひょうこう)四百七十(よんひゃくななじゅう)メートル 霊鷲山(りゅうじゅざん) 鷲ヶ尾(わしがお)の山頂(さんちょう) 紀州(きしゅう)の山(やま) 淡路(あわじ)の峰(みね) 遠(とお)く太平洋(たいへいよう)へ 視線(しせん)が走(はし)る ずっと靴(くつ)だけ 見(み)ていた私(わたし)に こんなに広(ひろ)い空(そら)が 待(ま)っていた 【Singer B】 景色(けしき)が急(きゅう)に 現(あらわ)れたんじゃない 【Singer A】 一歩(いっぽ)ずつ 私(わたし)が近(ちか)づいた 【Singer B】 奇跡(きせき)みたいに 見(み)える今日(きょう)は 【Singer A】 昨日(きのう)までの足音(あしおと)が 連(つ)れてきた 【Pagoda Scene】 老杉(ろうさん)の間(あいだ)から 三重塔(さんじゅうのとう) 三段(さんだん)の屋根(やね)が 天空(てんくう)へ伸(の)びる 文化十四年(ぶんかじゅうよねん)から 文政十年(ぶんせいじゅうねん)へ 十年(じゅうねん)を越(こ)えて 積(つ)み上(あ)がった願(ねが)い 徳島(とくしま)に一(ひと)つ 残(のこ)る塔(とう)は 急(いそ)がない強(つよ)さを 空(そら)へ伝(つた)える 一段目(いちだんめ)だけでは 見(み)えない形(かたち) 重(かさ)ねた時間(じかん)が 未来(みらい)を高(たか)くする 天正(てんしょう)の兵火(へいか)も この山(やま)を越(こ)えず 深(ふか)い森(もり)の中(なか)で 祈(いの)りは残(のこ)った 難(むずか)しい場所(ばしょ)に あるからこそ 守(まも)られたものも きっとある 【Final Expanded Chorus】 息(いき)が切(き)れるほど 空(そら)に近(ちか)い 涙(なみだ)が出(で)るほど 昨日(きのう)を越(こ)えている 速(はや)くなくていい 休(やす)んでもいい 私(わたし)の呼吸(こきゅう)で 頂上(ちょうじょう)へ行(い)こう 鶴林寺(かくりんじ) 白(しろ)い翼(つばさ)が 小(ちい)さな光(ひかり)を 今(いま)も守(まも)る 私(わたし)の胸(むね)にも 消(け)したくない まだ小(ちい)さな夢(ゆめ)が ちゃんと生(い)きている 息(いき)が切(き)れるのは 進(すす)んでいるから 足(あし)が重(おも)いのは 登(のぼ)ってきたから 見(み)えない今日(きょう)も 無駄(むだ)じゃなかった 空(そら)は一歩(いっぽ)ずつ 近(ちか)くなっていた 地面(じめん)を見(み)ていた 私(わたし)だからこそ 山頂(さんちょう)の青(あお)さを 忘(わす)れない 白鶴(しらつる)よ 次(つぎ)の道(みち)を飛(と)んで 私(わたし)は自分(じぶん)の足(あし)で また歩(ある)く 【Duo High Harmony】 一(ひと)つ登(のぼ)って 三(みっ)つ休(やす)んで 三(みっ)つ休(やす)んで また一(ひと)つ登(のぼ)る それでいい それがいい 今日(きょう)の私(わたし)は 昨日(きのう)より空(そら)に近(ちか)い! 【Downhill Coda】 【Singer A】 次(つぎ)は 太龍寺(たいりゅうじ) 【Singer B】 また山(やま)が 待(ま)っている 【Singer A】 今度(こんど)は少(すこ)し 笑(わら)えるかな 【Singer B】 息(いき)を整(ととの)えたら 行(い)ってみよう 【Duo】 空(そら)を見上(みあ)げて 靴紐(くつひも)を結(むす)ぶ 私(わたし)たちの道(みち)は まだ続(つづ)いている 【Instrumental Fade】 (Banjo continues) (Fiddle follows) (Footsteps continue uphill)


