
犬が吠える [Howling Dog]
V4
歪んだ街のノイズが響く 嘲笑うようなテレビの声 ビルの隙間から漏れる空は 何かを諦めた色をしている 飢えた子供が目を伏せる写真 その横で笑うスーツの男 祈りの声も銃声も重なり 理想と現実が牙を剥いてく 「叫びたい」で声は届かない この手は何も掴めず震える 世界を変える夢は泡のように 弾けて ただ闇に消えていく 戦火の中の赤い空に 誰かの涙が染み込んでいく その意味を問うことすら怖い 目を逸らし 自分に逃げる日々 街灯に群がる蛾のような僕 どんな光も熱を持たない 正義の旗も 理想の歌声も 虚しいエコーで胸を抉るだけ 何をすれば救われるんだろう この足は何処へ向かえばいい ただ生きることが罪ならば せめて何かを壊してみせたい 見えない空が叫びを飲み込む 「それでも」と響いた がなる声 空はまだ灰色のままだけど 足元の影がゆっくり歩き出す 不協和音は消えないけれど 僕の中でひとつの声を紡ぐ 今宵も虚しく犬は吠える

