
鳴らぬ刃が 世界を測る その静けさの 中心で 削ぎ落とす刃が 闇を裂き 欲を断ち 音を奪う 破魔の刀は 静を残し 均された夜が 広がった 溢れ出す刃が 地を焦がし 欲を解き 血を巡らす 生魔の刀は 熱を生み 脈打つ声が 空を満たす 止まりすぎた世界 走りすぎた世界 どちらも 長くは 続かない 均衡の刀 今 立つ 断たず 生まず ただ 戻す 破魔と生魔の その間で 崩れぬ位置を 探し続け 選ばぬために 刃を持ち 世界を 続かせる 破魔は 終わりを与え 生魔は 始まりを呼ぶ だがその先に 残るものは 続くか 壊れるか 声なき声が 求めたのは 正しさよりも 明日だった 均衡の刀 名もなく 讃えられず 知られずに 削ぎすぎた静寂を 揺らし 溢れすぎた熱を 鎮め 血も 欲も 否定せず ただ 流れを 整える 抜かれぬことが 勝利なら この刃は 幾度も勝った 誰も知らぬ その裏で 世界は 保たれていた 破魔が 止め 生魔が 動かし その狭間で 刃は耐える 三つの意志が 交わる夜 崩れなかった この瞬間 それこそが 均衡の 証 鳴らぬ刃が 今日も 世界を 支えている

