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オーディン哀歌 吽

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V6

なぜ人と人は争うのか 互いの正義があるという 何でも相対化して誤魔化すな 明らかに仁義に悖る者がいる 有徳の人を偽善と罵って 自らの無徳を正当化するな 老人だからといって 敬うべき者は僅かだ 若者だからといって 精神が老いた者もいる 男の下心で女は 得をしていることを知らぬ 女の下心で男は 踊らされていることを知らぬ 人それぞれ みんな違ってみんないい 人格の差が見えぬのか 高尚な者と低俗な者がいる 天使に見紛う者もいれば 獣以下のごとき者もいる 智慧さえもあらかじめ 運命の女神に決められている 無辜の民、罪なき人々 そんなものどこにいる お前は今日何を食べた 自分で畑も耕さず 自分の手も汚さずに 何度目の前の不正に沈黙した 助けを求める命を何度見捨てた 案じているのは我が身のみ 虐げられし者を庇っても 小さき命を助けようとも いったい誰が目をとめる 快楽を尽くしても 自己を律するとも 皆ことごとく消え失せる ただ己が頷くのみだ 年を経ても 言葉で飾ろうとも 覆いで隠そうとも 神や仏が赦しても 我が心は覚えている 忘れたとでもいうのか あの朝、人を傷つけ あの夜、犯した罪を 欲望に燃える柩 罪業に絡みつく茨 怠りなまけて 責任を知らず 逃げ出した少年よ 仏の子たる君は 理を知らぬわけではない 謎は報いなき人々 神は人が作ったと揶揄する 科学もそうではないのか 医者は信じても なぜ医神は信じぬ 学者の説は信じて なぜ聖者の説は信じぬ 無宗教という名の宗教 賢者も愚者も ことごとく消え去る 宗教の根源は死だ 動物は死を認識できない 見る力を持った原人が 愛する人を失う 衝撃は計り知れない 明かき所には王法あり 王者が法を守ることは容易い 暗き方には神明あり 神は仏性のある者にしか宿らぬ 矢尽きて刀折れ 心に残されたものはただひとつ 病が癒ゆる日が来た しかし虚無という病は癒えぬ あの愛が失われてから 寂しさに打ち震える すべてを分かち合った人 あなたと再会するまでの時間 それはわたしが導いた罰 神々の黄昏 軍神は智慧を究めた 信仰とは滅びの日の備えだ 信じたものが嘘だったら 救いが欺きに変わるであろう わたしの信ずる神が 悪魔か無であったなら 祈りとは何であったのか この滅びを免れて 生き延びる者があるとしたら この言葉が残るのならば お前たちは独りではない 人を傷つけ、愛した者がいる 誰もお前を求めぬのなら 烏の王の誓いに耳を傾けよ 憩いの場はそこにある