[Intro] 夕暮れ過ぎには 戸を閉ざし 鳥居の向こうへ 近付かぬよう 今宵もどうやら ──神隠し [Verse 1] 村の外れの 古い道 片方だけの 靴ひとつ 昨日までいた 人の名を 呼べど返事は ありませぬ 母は泣き伏し 父は祈り 鳥居の前には 花ひとつ 日暮れの鐘が 鳴る頃に 誰もが静かに 戸を閉ざす [Pre-Chorus] 見ざる 聞かざる 問いもせず 御業なればと 頭を垂れる 取られしものは 帰らぬもの しかと 心得ました [Chorus] どうぞ お返しくださいませ お名前も お姿も 遠い彼方へ 隠さずに 元いた場所へ お返しください どうぞ お耳をくださいませ あなたへ祈る 人々が 今宵もこうして 待ちますゆえ 心残りに なりましょう [Verse 2] 翌朝ひとつ 祠が消えて 野花ばかりが 揺れている 次の夜には 鳥居が消えて 参道だけが 残される 祭り囃子は 絶え絶えに 祝詞の言葉も 欠けてゆく 御神木には 名も残らず どなた様を お祀りしたやら [Pre-Chorus] 見ざる 聞かざる 問いもせず 御名を呼ぶ声 またひとつ消ゆ 忘れしものは 帰らぬもの これも御業に ございましょう? [Chorus] どうぞ お隠れくださいませ お名前も お姿も 遠い昔の 御記憶も ひとつ残らず お持ちになって どうぞ お忘れくださいませ あなたへ祈った 人々を こちらもすぐに 忘れますゆえ 心残りも ありますまい [Bridge] 人を隠すは 神の御業 名を奪うのも 神の御業 なれば此度は 私より その御業 お返しいたしましょう 言葉もいらぬ 刃もいらぬ ただ御名ひとつ 忘れましょう [Final Chorus] どうぞ お隠れくださいませ お名前も お姿も 遠い昔の 御記憶も ひとつ残らず お持ちになって どうぞ お忘れくださいませ あなたを祈った 人々を こちらもすぐに 忘れますゆえ 心残りも ありますまい 誰も祈らず 誰も知らず 誰も御名を 呼ばぬなら── さあさ お隠れください あなたが奪った 人の子と同じように [Outro] 今宵消えたは 人ならず 名も無き社に 風が吹く 誰も気付かず 誰も知らず これぞまさに ──神隠し


