
■第1話 『配属』 本社、新社屋の レセプションホールで 入社式が終わった。 「これで入社式を終了致します。」 ホールが僅かにざわつく。 「それでは、所属ごとにご案内します。」 新入社員の誘導が始まった。 ──これから、研修だ。 目の前に女性が現れる。 「ようこそ、我が社へ。 私が案内しますので、 ついてきてください。」 「わかりました。」 結人は、女性の後ろについて行く。 長い廊下を抜け、 階段を下り、 本社正面出口を出る。 「……あの、本社じゃないんですか?」 「別棟になります。」 ──別棟? 思った以上に広大な敷地だ。 庭園を挟んで、グラウンドまである。 ーーグラウンド? 外周が回れる ランニングコース。 ランナーの姿。 ーーこんなコースまであるのか。 トレーニング施設。 窓越しに見える、 筋トレ器具。 ーー会社で、筋トレ? 僅かな違和感。 「ーーあの……食品会社、ですよね?」 「ええ、勿論。」 さらに進むと、 緑が生い茂る先に 建物があらわれた。 「こちらの建物内です。」 入り口はカード認証だ。 [SE]ピッ 重厚な扉が開く。 「ご苦労様です」 中の警備員が頭を下げる。 飾り気のない 廊下が続いている。 人の気配もない。 2人の足音。 話してはいけない雰囲気。 また、 カード認証の扉。 [SE]ピッ 「あの、ここは……、 何の部署ですか?」 女性は振り返らず、 静かに答える。 「こちらへ。」 扉が、ゆっくり開く。 奥から、 何かを、 叩きつける音。 奥にいる男が、 ゆっくり振り返る。 「……来たか。」 女性が頭を下げる。 「灰谷さん、あとはよろしくお願いします。」 女性が、退出した。 ーーえ?ここって…… 立ち尽くす 結人。 灰谷の視線。 「おせぇよ。」 「……ここは……?」 「ーーここは、 『仕込み場』だ。」 ーー機密部隊へ、 ようこそ つづく

