
【1番】 夜風がそっと 窓を叩く 森のさざめきが 名前を呼ぶ 光る羽根の奥にひそむ ちいさな影を 誰も知らない 泣き出しそうな背中見つけて 胸の奥がざわめいたの 理由なんていらないけど 放っておけない気がしていた 【サビ】 ふわり 影へとひらく羽 あなたの行く先 照らしたい 見つからないように 息をひそめ そっと寄り添うの 光も闇も抱き寄せて 私は私の魔法で あなたを見守る イタズラな妖精の囁き 【2番】 木々の隙間で 星が瞬く 忘れかけてた痛みが疼く その記憶が誰のものか まだわからない 思い出せない 遠い日々の残り香みたいに 胸の奥が震えても あなたが笑えるなら 進む勇気は ここにあるよ 【ラスサビ】 ふわり 夜へと溶ける羽 迷いながらでも飛んでいく 震える心を 隠したまま そっと寄り添うの 明日を結ぶひかりになれ 私の願いが届くなら イタズラに見えて ほんとは祈りの歌 ——今日もまた誰かの背中を押す。 小さな羽ばたきで。 -------- 『イタズラ妖精ルリエはうっかり世界を救います』 小さな妖精ルリエは、森の中で今日もひとり、気ままに人間へイタズラを仕掛けていた。 けれど――イタズラするつもりが、気がつけばなぜか人間を助けてしまっている。 誰かが懸命に生きようとする姿を前にすると、胸の奥がじんわり熱くなる。 ――手を伸ばしたくなる。応援したくなる。 その衝動の理由を、彼女はまだ知らない。 そんなルリエの前に立ちはだかるのは、世界に広がり始めた“闇の瘴気”。 それは人の心を弱らせ、自然を歪め、古い伝承に語られる災厄の影を思わせた。 千年を生きる大妖精フィオラは、静かに告げる。 「ルリエ。そなたの光は、まだ小さいが……やがて誰かを救うのかもしれぬのう」 旅立ったルリエは、剣士アリシア、錬金術師ミルド、吟遊詩人リュナと出会い、思いがけず仲間と笑い合い、ときに涙しながら歩む日々の中で、“自分が何者なのか”という問いに少しずつ向き合っていく。 ――彼女は、誰かを救えなかった記憶を持つ転生者。 その真実が明らかになるとき、世界の闇が音を立てて動き出す。 ささやかな羽ばたきが、誰かを救う奇跡になる。 『イタズラ妖精ルリエはうっかり世界を救います』 優しくてちょっと不思議なファンタジー、ここに開幕。

