
【Aメロ】 君がこなくなって もう二週間 君のために買った新刊だけが 少しずつ増えていく 君が読みたがっていた あのお宝ぼん 中野ブロードウェイまで行って やっと手に入れた 本棚に置いて 何度も眺めて それなのに 君はいない。 「ああ……」 やっぱり 話さなきゃダメだ。 【Bメロ】 たかだか三つ向こうの教室が なぜだか ものすごく遠い 昼休み ……行ってみた。 教室の前まで来たけど 【サビ】 君はギャル集団の 真ん中にいる 笑ってる いつもの君だ 「うわー……」 あんなところに 入っていけない 一歩も 動けない すると君が 僕に気づいた 「あ」 目が合って 君は 小さく手を振った 僕も 手を振った ……それで終わり 【Aメロ2】 しょぼしょぼ 自分の教室へ帰る 机に座って ため息ひとつ マンガを開いてみても ......1ページも読めない 【Bメロ2】 昼休みは 何もできなかった でも 次は放課後だ 今度こそ ちゃんと話そう 何を言う? 「この前はごめん」? 「また部屋に来てよ」? 「漫画の新刊買ったよ」? どれも違う気がする 【Cメロ】 放課後 いよいよ向かう 何を言うかなんて まだ決まってない ただ 行くことだけは 決めた 廊下を歩き出す 三つ向こうの教室へ 「よし……!」 気合いを入れた その瞬間 「あれ?」 廊下の向こうから やってきたのは 後輩ギャル 「どこ行くんですか?」 「……三つ向こう」 「先輩のとこ?」 「うん」 少し黙って 「二週間 来ないんだ」 「……え?」 なぜか急に 心配そうな顔になる 「大丈夫なんですか?」 「え?」 「いや…… そういうことって あるじゃないですか」 「……何の話?」 「え?」 「いや、君の先輩の話だよ」 「ああ、そっちか!」 なんだこの会話。 【サビ】 「じゃあ、一緒に行きましょう」 「え?」 「私も先輩に用事あるし」 そう言って さっさと歩き出す 待って 待ってくれ これは違う 僕はただ 君に話があるだけで なのに なぜ僕たちは 二人で歩いてるんだ? 三つ向こうの教室 そこには いつもの君がいる 【ブリッジ】 教室の前 いつもの君が こちらに気づく 僕を見る 後輩ギャルを見る そして 僕たちを 交互に見る 「…………」 嫌な予感がする。 【ラスサビ】 「……いつから付き合ってんだよ」 「ええええ!?」 放課後の廊下 まだ生徒がいる 「えっ、付き合ってんの?」 「誰と?」 「ほら、あの二人」 違う! 違うんだ! 僕はただ 話をしに来ただけで 後輩ギャルは たまたま一緒なだけで なのに 君はもう すっかり納得した顔 「……ああ、そういうことね」 違う! またそれか! 【アウトロ】 やばい どうしよう 何から説明すればいい? 誤解が 誤解が 誤解があああああ! 今日も マンガどころじゃない

