Intro] まだ星の残る朝に 白い帽子をかぶった 誰もいない調理室に 今日も最初の灯りがつく [Verse 1] 大きな釜の向こう側で 湯気が静かに立ちのぼる 名前も知らない子どもたちの 一日が始まる前に 窓の外を風が過ぎて 校庭に朝が降りる頃 私はいつもの場所で 変わらない手を動かしていた [Chorus] 食卓の対岸で 言葉にならない願いを炊いた おかわりの声も 残された皿も 明日のための答えだった [Verse 2] 春も夏も秋も冬も 気づけば過ぎていったけれど 小さな背中が並ぶ景色だけは 昨日のことのようで 運動会の前の日も 雪の降る寒い朝も 誰かのお腹を満たすことが 私の居場所だった [Chorus] 食卓の対岸で 一度も言えない感謝を抱いた 笑い声の中に 泣きたい日さえ 静かに溶かしてきたんだ [Bridge] 誰もいない給食室 白衣をたたむ夕暮れ 磨かれた釜の縁を そっと撫でて扉を閉めた 季節は巡り 子どもたちは大人になり 私は少しずつ 遠い風景になってゆく [Break] ある日の街角で 聞き覚えのない大人が笑った 「あの時の味を覚えています」 その一言で 三十五年の朝が報われた [Final Chorus] 食卓の対岸で 私は愛を炊き続けていた 主役じゃなくても 名前が残らなくても あの日の子が大人になるまで 私はずっと その記憶の風景だった © Kamo Please do not re-upload, redistribute, or release this song or its lyrics on other platforms without permission. 無断転載・再配布・無断での音楽配信はご遠慮ください