
室外機の上。立つ 捨てるしかない 手放すしかない 終わらせるしかない 罪悪に罪悪をかさねて その火を 吹き消すふりで この心臓の息の根をとめた やさしくみえるだけのあれ 残酷は残酷を越えてくる 乗りこえることはできないまま 狂うほうが どんなに楽だろう 狂って忘れるなら どんなに楽だろう 傷つけることで傷をえぐって 溢れこぼれおちるわたしは躙られて 黄金の紙切れだけが唯一の糸 どこにもいないだれも 室外機の上。立つ 強い風にあおられ揺らぐ肉 電飾のよう流れる車列 あの世のようなあの道 耳は風にふさがれた 喉は嘘でつめこまれ あとは終わるしかない 終わりしかない やさしいものはやさしくはない 削りとったこの肉で潤した声で嘘を告ぐ 甘いように苦く淀んだ嘘で嘘を積んで この身体を芯として揺らぐ火はもう この風に吹きさらされ寸前 消えてしまうだろう直前 夢をみた 狂ったまま ついていたようで ついていない足 できていたようで できていない 見えていたようで 見えていない 踏みしめられない足は空中で 踏みはずして 落ちるしかない5階 室外機の上。終わる。捨てて

