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四季餅黙示録

牡丹の花が 野を染めるころ 我らの旗は 風を裂く つぶしただけの 名もなき餅に 春の誇りを 渡せはしない 萩の葉陰で 刃を研ぐ 秋の静寂 背に受けて 粒の小豆が 噛みしめてきた 歴史の重みを 侮るな 同じだなどと 笑う者たち この名に注いだ 季節を知らない ぼたもち ぼたもち 春を掲げて進め おはぎ おはぎ 秋を掲げて戦え 小豆のひと粒 餅のひとかけ 譲れぬ誇りが ここにある 同じ餅などと 呼ぶな 我らは 我らの名を持つ つぶあん前へ 歯ごたえを打て こしあん隊よ まろやかに囲め 角ある味を 傷と罵り なめらかさなど 逃げ道だと 欠けた皿だけ 残してもなお 誰も旗など 下ろせはしない 甘さの奥に 隠した戦火 今さら消せはしない おやめ下さい 同じ製法の 同胞でしょう 黙れ 黙れ 春を知らぬ者に 秋を知らぬ者に この名の痛みが 分かるものか 北窓! 夜船! 武装蜂起! 両舷から 迫り来る 四季すべてが 牙を剥く 北窓! 夜船! 冬と夏まで火を放つ ぼたもち! おはぎ! 春と秋まで吠え立てる 春を掲げろ ぼたもちよ 秋を貫け おはぎよ 夏の夜船 冬の北窓 名を懸けて 押し寄せろ つぶあん! こしあん! 互いの旗を噛み砕け 同じ餅などと 呼ぶな 四季が巡る限り この戦いは 終わらない 終わらない 終わらない 終わらない