今日も外も内も雨 素敵で洒落た傘など持ってはいない ところどころ 小さな穴のあいた 傘のようなカタチをしたものを せめて 精一杯の気持ちとして それは大切なひとたちに あげることにしている そんな理由で いつも濡れていた 冷たい雨に 濡れていた 穴のあいた 傘のようなカタチをしたものを もらった誰かも 迷惑なのかな とは思う ありがた迷惑というやつだ 結局 みんな 一緒に濡れていた 笑えるだろう とんだ笑い話だ でもそんな姿を見て 愛したひとが泣いた 愛してくれたひとが泣いていた それでも何も言うことが出来なかった それでも何もすることが出来なかった それでも 不器用な人間なりに 本当に心の底から願っている 明日は 晴れると良いな 今日も雨 雨のち雨 濡れるのにも飽きてきた 「これでおしまい」 そっとしまう 浅く 深追いの指 轍歩く 叢雲踏むが如く 静かに 音も立てず 見慣れた端の明かりが跳んで 顔染め上げ 音響きもたてず崩れてしまう この残骸の先に 何があるのか 誰か 教えてほしい ただ 愛したひとが泣いた 愛してくれたひとが泣いていた 指と指 触れてつないで 擦れあう度に雨音が増している 大空は遊び疲れて 水と落ちては 声上げて 弾けて 残るを仰ぐ 別れをひとつひとつ 願いに乗せる それぞれの夜を漕いだ先に 手のひらに在り 立ち並んで ゆらりとのぼる雨 道行きほどの灯りが明け残り 不安げな顔して さざめく雨音にあわせて消えていく 降り注ぐものと心通わせて ひとり傘 ひとり黙して ひとり旅 雨宿り 雨にもなれず 風にもなれずに このまま消えていく気がして ただ ひとつ言えることは この雨の先に何かある気がして… 今日も雨がきつい日だ 今日も風がきつい日だ 今日もただ きつい日だ 大空を泳ぎ疲れて 泣きながら落ちてくるものに 誰が何を言えようか 愛したひとが泣いていた 何も言わずに 外は雨 愛してくれたひとが泣いていた 今日も きっと 明日も雨 別れはひとつひとつ 輪郭をなし それぞれ 確かに 大地となって 手のひらの深みに溜まり 澱みを受け止める ささやかに光り 降り注ぐ素朴な 思い詫ぶ逆波 大切なひと 大切なもの それぞれが水漬くことはない それに耐えるには 雨は強すぎた 小さくなった寄る辺に 黙して願う掌を 掲げてひとつ ふたつ もつれるように 逃げるように消える 雲に結いつけて 追いかけて 背中の音 たたみ置く 滑稽だろう でも 明日は 明日こそは 晴れそうな気がして 今日も雨 冷たい雨 明日こそ 今度こそ 晴れるといいな だからこそ 「愛したひとを悲しませてはいけない」 「愛してくれたひとを悲しませてはいけない」


