
耳の奥まで
[Intro] 午前二時 止まった再生バー 誰にも聴かれない部屋で まだ 同じ曲を流してる [Verse 1] 相互の沼で ちゃぷちゃぷ 足首くらいの深さで溺れる 「わかる」「好きです」「最高です」 同じ言葉が 今日も流れる 誰かを育てた顔をして 自分の名前に水をやる 綺麗に実った数字だけ 皮を剥いたら 味もしない 聴いてもないのに褒めて 褒められたくてまた聴いて くだらないって笑いながら 通知だけは消せないまま [Pre-Chorus] わかってほしくて 見下して 群れたくないのに 置いてかないで 馬鹿みたいだって 吐き捨てた声が いちばん人間で 気持ち悪い [Hook] AIだから 聴かない? AIなのに 聴いてほしい? 右も左も 耳を塞いで 評論だけが よく響く [Drop] だったら―― 一秒で 黙らせろ [Chorus] 綺麗な言葉を 裏切れ 拍手より キックをくれ 「これはこういう曲です」なんて 説明する前に 胸を刺せ 宣伝 洗練 先生 名声 その前に その音は生きてるか 営業 形成 訂正 反省 うるさい 鳴らせよ お前の生命 [Post-Chorus] No more fake applause ぬるい拍手なら いらない No more sugar talk 優しい嘘なら いらない No more pretty lies ひとりの夜で No more village pride 怪物を育てろ [Verse 2] 「数字なんて興味ない」って 数字の話をしてしまう 「評価なんてどうでもいい」って 低い評価だけ覚えてる 才能なんて言葉より 昨日よりマシでいたかった でも誰かの伸びたグラフに 心の奥が濁っていく 悔しいなんて認めたら 負けたみたいで嫌だから ジャンルが違う 趣味が違う そんな理由を並べて眠る [Pre-Chorus 2] 本当はただ すごいって 言わせたい 本当はただ 忘れられるのが 怖い 本当はただ 聴いてほしい 最初の一秒で スクロールする指を 止めてほしい [Drop] だから お願いなんて 言わないで 音で 振り向かせろ [Final Chorus] 綺麗な言葉を 裏切れ 拍手より キックをくれ 共感も 正論もいらない その耳の奥まで 火をつけろ 宣伝 洗練 先生 名声 その前に 震えるものはあるか 営業 形成 訂正 反省 全部 あとでいい 鳴らせよ お前の生命 [Bridge / Spoken] ……でもさ 誰にも聴かれなくても 作れるかって訊かれたら たぶん 私は 少し黙る 聴いてほしいよ 当たり前じゃん わかってほしいし 褒めてほしいし 誰かの 「これ好き」が 一個くらい 欲しい それでも 媚びた音だけは 作りたくない [Final Hook] AIだから 聴かない? AIなのに 聴いてほしい? そんな話は もうどうでもいい 目を閉じても 残るなら それだけでいい [Outro] 拍手が止んだあと 通知も 数字も消えたあと 暗い部屋に ひとつだけ まだ鳴ってるものを 私は 音楽って 呼びたい [Ending] だから ――耳の奥まで 燃えてしまえ


