足音が 闇に響く 忘れたはずの 懐かしい音 灯火ひとつ 胸に点り あなたの名前を そっと呼んだ 長い夜にも 終わりがあると 差し述べられた その手を見た もう一度だけ あなたのそばへ 帰れるのだと 信じていた 見ないで どうか まだ 見ないで この手を取って ただ それだけ あなたが来た あなたが来たのに なぜ その目は 私を拒むの あの日のままで いたかっただけ あなたとともに 帰りたかった 振り向いた目に 何が映った 崩れた灯火 ひび割れた月 叫ぶことさえ できないまま あなたの背中が 遠ざかる 待って 待ってと 伸ばした指は 冷たい闇を 掴むばかり 迎えに来たのは あなたでしょう なぜ 私だけ 置いてゆくの 見ないでと 願った声は あなたの耳に 届かなかった それとも あなたは 知っていたの? あなたが来た あなたが来たのに なぜ その足は 私から逃げる 愛した人の その目の中に 私の居場所は もう なかった あの手は 何だった あの声は 何だった ともに帰ると 思った私が 間違いだったの 返して あの日を 返して あの声を 返して 私を あなたがまだ 愛した 私を 愛してた そう 愛してた あなたのすべてを 信じていた そのぬくもりが そのまなざしが いまは私を 傷つける 愛してた だから 憎いの あなたが残した この痛みさえ 壊せない 忘れられない あなたは いまも 私の中に あなたが来た あなたが来たのに ねえ なぜ 逃げたの なぜ 私を 置いていったの


