聞こえるか 珊瑚の下の声が 潮風が運ぶ 名前を奪われた島の記憶 フェンスの向こうに 青が広がる だが踏めない砂浜誰のものだ 石垣に刻まれた 百年の傷 教科書にない歴史が 脈を打つ 少年たちは走る 夜の基地沿い 奪われたものを 取り返すように 英雄なんかじゃない ただの怒りだ それでも拳を握る 震える指で 宝島 宝島 誰の宝だ 誰の島だ 血で洗われた珊瑚礁の上 それでも花は咲く デイゴの赤 三つの影が 時代を跨ぐ 一つは消え 一つは沈み 一つは叫ぶ 正義の形が 歪んでいく夜 守りたかったもの 壊したものの境界 台風の目の中で 静寂を知った 暴力の裏側に 祈りが張り付いてた 誰も悪くない? いや 全員共犯だ この島の痛みに 無関心という名の罪 宝島 宝島 誰の宝だ 誰の島だ コンクリートに埋もれた貝殻 それでも波は来る 何度でも 返還 復帰 本土並み 言葉だけが積み上がる 空っぽの約束の塔 だが海は覚えてる 珊瑚は覚えてる 風は覚えてる 島は 忘れない 七〇年の怒号 鉄条網を揺らす 子供だった俺たちが 大人の戦場に立つ 宝なんてなかった? いや 違う 宝は最初から ここに生きる意志だった 踊れ エイサーのリズムで 泣け 三線の震えで この島は沈まない 何度占領されても 魂までは渡さない 宝島 名前を呼べ 本当の名前を うちなー うちなー 波の向こうに まだ光が見える