[Intro: Ambient] (Deep resonating Temple Bell rings) (Sparse electronic pulses) (Atmospheric Shakuhachi drone) [Verse 1: Whispered and Cold] 祇園精舎の鐘の声 諸行無常の響きあり 沙羅双樹の花の色 盛者必衰の理をあらわす 奢れる人も久しからず ただ春の夜の夢のごとし 猛き者もついに滅びぬ ひとえに風の前の塵に同じ 遠く異朝を弔えば 秦の趙高 漢の王莽 近き本朝を伺えば 平の清盛 太政大臣 「この一門にあらざむ人は、皆人非人なるべし」 六波羅の風に揺れる赤旗 権勢は都を埋め尽くし 娘を中宮に送り 外戚として頂点に立つ だが、その栄光の影で 民の怨嗟は積もりゆく [Verse 2: Minimal Beat Starts] 鹿ケ谷の陰謀 幽閉される法皇 以仁王の令旨が 眠れる源氏を呼び覚ます 富士川の瀬音に怯え 戦わずして逃げ帰る平家 清盛は熱病に悶え 「頼朝の首を我が墓前に」 その願いも虚しく 猛き炎の中で果てた 暗雲が京を覆い 一族は住み慣れた都を捨てる [Chorus: Hypnotic Chanting] (Deep Bass Pulse) ああ 流転する運命(さだめ) 波の間に間に 赤き旗は 西の果てへと追い詰められ 語り部が紡ぐ 滅びの美学よ 琵琶の音が語る 千年の孤独を 諸行無常 すべての命は夢の跡 [Verse 3: Dark and Rhythmic] 鵯越(ひよどりごえ)の険しき道を 義経の騎馬が駆け下りる 一ノ谷の戦場に 散った若き命 平敦盛 熊谷直実の涙 わが子の姿を重ねつつ 首を打つ刀が震える 青葉の笛が風に鳴る 武士(もののふ)の情けも 戦の渦に消え去り 源氏の白旗は 勝利の雄叫びを上げ続けた [Verse 4: Industrial Accents] (Sharp Biwa plucks like percussion) 瀬戸内の海を揺らす 屋島の浦の夕まぐれ 揺れる小舟のその先に 紅の扇が風に舞う 那須与一 神仏に祈り 放った一矢 空を切り 扇は要から砕け散る 敵も味方も その神技に声を失い 波しぶきだけが 刹那の静寂(しじま)を彩った [Verse 5: Climactic Tension] (Heavy Bass and Glitch effects) ついに訪れた 最後の戦地 壇ノ浦 逆巻く潮の流れが 平家の命運を飲み込んでゆく 「もはやこれまで」 二位の尼は安徳天皇を抱き 「波の下にも都がございます」 幼き帝へ微笑みかける 三種の神器と共に 深い蒼の中へ沈みゆく 海は赤く染まり 平家の勇士たちは次々と 鎧を纏ったまま 永遠の眠りへと身を投げた [Bridge: Ethereal and Empty] (Beats fade out, only drone remains) かつての華やぎはどこへ 建礼門院 大原の隠遁 寂光院の鐘が鳴る 落ち葉踏む音さえ切なく 後白河法皇が訪ねる 「六道」を巡った物語 栄華も 地獄も 畜生道も すべてを見てきた 「これは夢か、うつつか」 老いた身に涙が伝う [Chorus: Hypnotic Chanting] ああ 流転する運命(さだめ) 波の間に間に 赤き旗は 西の果てへと追い詰められ 語り部が紡ぐ 滅びの美学よ 琵琶の音が語る 千年の孤独を 諸行無常 すべての命は夢の跡 [Outro: Minimal and Fading] (Distant Temple Bell) 遠ざかる 琵琶の撥音 歴史の濁流に消えた 数多の魂たちよ 今も聞こえるか 祇園精舎の鐘の音が (Whisper) 春の夜の夢のように (Whisper) 風の前の塵のように ただ 物語だけが この空に響き渡る [End]


