
[Verse 1] 舞台裏で 衣装を運ぶ 王の役には 冠の代わりに 囚人の鎖を 騎士には 剣の代わりに 町を去るための 黒い外套を 手渡す はじめはみんな 立ち寄って 客席に座ってた だけの人たち [Verse 2] 衣装をぬう人 台本を運ぶ人 背景を変える人 誰も顔を上げず 決められた手順を 繰り返している 舞台裏の者も 役割の駒 私だけがまだ 意志を残している だから時計を倒し 台本をずらした 客席の男が その間違いを 拾うのを見ていた [Chorus] ここでは誰もが はじめは客だった 舞台へ呼ばれて 名前を明け渡し 望まない役を 自分の未来だと 覚えさせられる 特別席の女が 指を動かすたび 別の世界から ひとつの人生が 運ばれてくる [Verse 3] 客席の男へ 新しい衣装が届く 同じ姿を作るための 仕立てられた服 台本にはすでに 次に立つ場所と 選ぶはずの道 私は一頁を 静かに抜き取った そこに空白が 生まれることを 願いながら [Final Chorus] 抜き取った頁に 扉が浮かぶ 残された台本にも 同じ扉が開く 消したはずの未来が 新しい演目に 書き換えられていく 舞台には 男と同じ姿 客席の男は 自分を見ている 私はその両方を 舞台裏から見ていた 特別席から 指がひとつ動き また新しい幕が 上がり始めた


