
世界への祈り-元勇者の願い-
V5
冷たい祭壇の上で 私は光に溶けた 「 世界を救う 」なんて 綺麗な台詞を 飲み込んで 命を犠牲にした... 感謝の祈りじゃなく 安堵して欲望を 再開する 群衆の背中 ああ、愛すべきか 滅ぼすべきか この世界は 泥を塗った宝石のよう 救う価値なんて 最初から、 無いのかもしれない 私は堕天になって すべてを、 リセットしたくなる 君たちが流す涙も 君たちが吐く嘘も すべてを抱いて 私は虚空を 彷徨って いる 憎しみは連鎖し 歴史はまた繰り返す 賢者は沈黙し 愚者ほど声を荒らげる 救ってくれて ありがとう その言葉の裏で 次の争いの火種を 育てる君たちへ 私は救済者か それともただの お人好しの ピエロ だったの? だけど見て、 あそこの小さな窓辺 欲張る、 大人たちの隙間で ただ真っ直ぐに笑う瞳 誰かのために 小さなおにぎりを 分け合おうとする 不器用で純粋で ひたむきな震える手 ああ...... これが見たかったんだ 世界が、 どれほど汚れても また新しく 生まれてくる 鏡のように透き通った 優しい魂の産声 それだけで 私の選択は 間違い じゃなかった 重たかった鎧が 羽のように 軽くなっていく もう怒りも未練も 光の中に溶けて消える 「 あとはよろしくね 」 君たちの未来が どうか温かなもので ありますように 私は安心して 眠りに つくわ.....


