朝の庭で 葉を揺らす風 まだ青い 香りが立つ 植えた日の 手の感触が 土の奥に 残っていた 光だけ 先に伸びて 実はまだ 追いつかない 酸っぱさが 輪郭を描く それでも 待てる気がした 柚子みたいに 早く香って 色よりも 先に伝わる 甘さの場所を 知らないまま 季節は 進んでいく 同じ枝を 何度も見る 少しずつ 重なる色 慣れたはずの この明るさが なぜか 長く残る 待つことを 覚えた頃に 実は 深くなって 触れなくても わかるほど 気配だけが 静かにある ルビーレッド その名前を 呼ぶ前に 夏が揺れる 甘さは 後から来て 軽さのまま



