
夏がめくった島のすみっこ キミの笑い声に胸が高鳴る 川の水面は空を描いて 裸足のまま雲まで冷たい 投げた靴なら木の枝で昼寝 蝋石の白で夢をえがいた 初めて川へ飛べた日に キミがくれた当たり棒 時間は両手に余るほどあって 世界はぼくらのビー玉だった 転がすたびに色を変えて なくしてもまた見つかる気がした 引き出しの奥で眠ってる 細い木の切符が光る 息を止めたらあの川へ まばたき忘れた夏へ行ける ほたるが夜を縫い合わせ キミが教えてくれたベガ あの日のままの笑い声が 水の向こうでまだ跳ねてる 交換しないよ そのままで 当たりの夏よ 消えないで 虫かごの中で午後が鳴って 遠雷から秘密基地へ逃げた 濡れたシャツごと草に隠れて 雷さえも遊びに変えた 帰り道にはひぐらしの声 坂を薄く染めていた 石段の脇 透明な羽が 茜の中光ってた 今では夕立の匂いさえ すぐに名前を探してしまう あの頃みたいに名前の前で ただ光っているものを見たい 引き出しの奥で眠ってる 細い木の切符が手招く 息を吸ったらあの橋へ 飛べなかった昨日だって飛べる 靴を飛ばして 木に登って 二人で探したアルタイル 余りすぎてた時間たちが 水面の裏でまだ笑ってる 交換しないよ そのままで 当たりの夏よ 醒めないで 大人になって まぶたの窓にカーテンが増えた 夜空を見ても数えるばかりで 落ちる星にも驚けない だけど机の奥で鳴る あの頃への 片道切符 もう一度 白い石で 道に海を描きにゆこう 引き出しの奥で眠ってる 細い木の当たりが光る 息を止めたらあの川へ まばたき忘れた夏へ行ける ほたるが夜を縫い合わせ 結んだ夏の大三角 あの日のままの笑い声が 水の向こうでまだ跳ねてる 交換しないよ そのままで 当たりの夏よ 消えないで 片道だけの当たり棒 帰れないから 帰れるよ


