照明のあと 芝が冷えてる 外したバンド 手首が白い 低いキックだけ 腹に残って チケットの角 ずっと折ってた 柵のつめたさが 手にくる つぶやきひとつ 人波に消えた 外したバンドの 下だけ白い 終わったはずの 跡みたいで 耳の奥だけ まだうるさい 帰りのゲートで やっと息をした 靴先だけなら向ける 泥のはね返り 裾で乾いた 余計な一言が 爆音に紛れた 隣が急に 黙って空いた 返さなかった たった二文字 云えば済むのに ポケットが重い 売店のテントが 畳まれていく 外したバンドの 下だけ白い 消すつもりのない 跡みたいで 丸めた半券が ポケットで潰れる 川沿いの柵に 背を預けた 冷えた柵の 形が背に残る 踏まれた芝が まだ戻らない 背中のまま 重さをのせて 靴先だけなら 先へ向けられる 外したバンドの 下だけ白い 隠しそこねた 跡みたいで 暗い画面だけ やけに正直 靴裏の泥が 剥がれていった 足音だけが 先に行った 外したバンドの 下だけ白い それだけ連れて 帰る夜 暗い画面を 伏せたまま歩く 足音 ひとつ また ひとつ 足だけ 前へ