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まだ、ここにいる

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V5.5

夕焼けがビルの隙間に 少しだけ残っていた 急ぐ人たちの足音を 僕はぼんやり聞いていた 自販機の灯りの下 小銭をひとつ落として 拾い上げたその瞬間に なぜか空を見たくなった 何かになりたかった 誰かに届きたかった そんな気持ちを隠しながら 今日まで歌ってきた うまくいかない夜ほど 優しい歌を作りたくなる 僕が欲しかった言葉を 誰かに渡したくなる まだ ここにいる 何度消えそうになっても 小さな声で歌ってる 名前なんて知らなくてもいい この歌を聴いたその人が ほんの少し笑えたなら それだけで 僕がここにいた意味になる 雨上がりの歩道には 街の灯りが揺れていた 誰かが置いていった傘から 雫がひとつ落ちていく 特別じゃない景色ほど どうして胸に残るんだろう いつか忘れてしまう今日を 僕は歌にして残したい 強い人にはなれなくて 何度も立ち止まったけど だから見つけられたものも きっとたくさんあったんだ 誰にも見えない涙とか 言えなかった「ありがとう」とか そんな小さな心の声を 僕は拾って歌いたい まだ ここにいる 遠回りばかりだけれど この声だけは離さない 世界を変えられなくても 誰かの孤独な帰り道に そっと灯りを置けたなら それだけでいい それが僕の歌だから いつの日か この声を聴いた瞬間 「ああ、この人だ」って 思い出してくれるかな 顔も知らない誰かの 大切な一曲になれるかな それまでは 何度だって歌うよ 朝焼けも 夕暮れも 眠れない夜も 僕が見つけた小さな光を ひとつずつ歌に変えて まだ ここにいる ここで歌っている 届くかどうかじゃなく 届けたいと思ったから 今日もまた 新しい歌をひとつ この世界に 置いていく