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中華店の赤い拉麺

V5.5

ヒールで駆けずり回った夜 馴染みの 中華店の灯りに 吸い寄せられ 真っ赤な拉麺をすする 魂を、燃やすひりつくからさ 刺激で自分を奮い立たせる 何かに寄りかかりながら生きていた、あの頃 やがて君が生まれ お気に入りの味 遠くへ遠くへ がむしゃらな日々に追われ 自分ごとそっとしまい込む 気がつけば目まぐるしく時が流れ 拉麺食べたいと可愛い声 その一言に押され 古い扉を 開ける 暖簾をくぐった瞬間 ふわっと温かくて 辛くない 中華そばを ふたりで分けて食べた 湯気の向こうで 君の笑顔が揺れて 懐かしい香りに包まれながら なぜだか涙がこぼれそうになる  それからまた目まぐるしく季節が巡り 育ちざかりになった君 その姿が誇らしいよ いま私はあの 真っ赤な拉麺を注文する 辛くて涙が出てきた私を見て 中華そばを ほおばる君が笑う 懐かしい味が舌に触れた 湯気の向こうに 若い日の私がほほえんでた 変わらない辛さと がむしゃらに過ぎた時間 また涙がこぼれた 今の私は 誰かを守りながら生きている 真っ赤な拉麺が そっと讃えている