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観測の外 『帰るための劇場』

[Verse 1] 夜の道を 歩いていた 吸い込まれるように 気づけば古い 劇場の前にいた 扉は閉ざされ 幕が上がる 役者の視線と 足の向きから 次に向かう先を なんとなく読んでいた [Verse 2] 右の扉へ行く 杯には触れない 思った通りに 劇は進んで いたはずだった 少しずつずれて いつからか 道が変わった 右へ行くはずの人が 左へ消えて 逃げるはずの人が 舞台へ戻っていく [Chorus] 王が囚人になり 騎士が町を見捨てる つながらない 景色のまま ひとつの幕が閉じた 誰もいない 客席から 拍手だけが 鳴り響く 暗い特別席に 女がひとり 気づかぬ僕を ただ静かに 見下ろしていた [Verse 3] 舞台袖を横切る ひとつの影 役に必要なものを 運びながら 役者とは 違う目をしていた 倒された時計 ずらされた台本 意味のないはずの 間違いを 僕だけが拾う 一度だけ 重なった視線が ここにいると 告げていた [Final Chorus] 幕の下から 紙が滑り込む 見えた道を 信じないで 顔を上げれば 新しい舞台 照明の中央に 立っていたのは 知らない役を 着せられた 僕自身だった