
[Verse 1] 冬のボーナス あの金には 保険がついてた 「だから誰も損はしない」 Aが笑う 湯気の向こう 時効の日に届いた封筒 笠間が残した 土田への手紙 「2256日の悔しさが まだ指先に こびりついてる」 [Chorus] 幻のホシは 顔も名も 紙の向こうで 溶けていく AIみたいなモンタージュが 静かに沈んで 画面の底へ 誰も損をしない話だった そう言った声だけが残る 損をしたのは保険会社と ひとりの命 そして捜査官の靴たち [Verse 2] 「簡単さ 車を奪えばいい」 雨予報を 確認するS 白バイの服 縫い直す夜 鏡に映る 他人のモンタージュ 「誰だって 爆発すると言えば 飛び出すさ 命がおしいさ」 赤い発煙筒 車の下でゆらぐ 雨粒が 証拠を洗う Sは消えた 青酸カリの苦さ Aには完璧な アリバイがある 翌朝 約四千五百人に 冬のボーナスが支払われた [Chorus] 幻のホシは 顔も名も 紙の向こうで 溶けていく AIみたいなモンタージュが 静かに沈んで 画面の底へ 誰も損をしない話だった そう言ったS声だけが残る 損をしたのは 捜査官の靴と 保険会社と ひとりの青年の命 [Bridge] きゅう億円が捜査費用に使われ じゅういち万ななせんにんの 無実のため息が 取調室にたまる 青年は別件で捕まり 独りで終わりを選んだ ごじゅうねんたった ニューステロップ 「初動捜査のミスでした」 そうまとめられて すべては 小さな欄に 押し込まれる [Chorus] 幻のホシは 顔も名も 紙の向こうで 溶けていく AIみたいなモンタージュが 静かに沈んで 画面の底へ 事件が幻のホシを追って 未解決のカーテンを閉じる

