
まぶしい夏の光の中 僕はまだ 何者にもなれない自分を 抱きしめることができずにいた 遠くで花火が弾ける音が 胸の奥の小さな炎を揺らす 成人式の帰り道 うまく笑えなかった写真の自分に 少しだけ嘘をついた気がした 焦りと夢のあいだで 何度もつまずいた二十代 終電に揺られながら “何のために生きてるんだろう” と 問うた夜があった 胸の奥に 答えのない叫びが 静かに燃えていた 負けたくなくて 強がった日も ひとりきりの部屋で 枕を濡らした夜も 全部 火にくべるように 自分の心に投げ込んだ 「まだ終わりじゃない」 そんな小さな声が 暗闇でかすかに灯っていた 燃えろ 僕の中の炎よ 消えそうで 折れそうで それでも立ち上がりたいんだ あの日 親がくれた “生きているだけでいい” という言葉が 今も背中を押してくれる 傷だらけでもかまわない 夢が遠くてもいい この炎を抱いて歩くことが 僕に託された願い ――まだ、終わらせない 仕事に追われ 期待に押しつぶされ 信じた仲間に裏切られた日 自分の価値がわからなくなって 夜の街をただ歩き続けた 失敗の数だけ 目の前の景色が滲んで 何度も立ち止まった だけど思い出した 苦しみを抱えた自分の手を そっと包んでくれた あの人の温度を 「どんな道でも あなたが選んだなら、それでいい」 その言葉に どれだけ救われたか 胸に沈んでいた重い雲が 風にほどけていくように 少しずつ 前を向ける気がした たとえ世界に拒まれても 僕にはまだ 消えない炎がある あの日 託された願いが 胸の中心で燃え続けている 倒れた場所からでも もう一度 立ち上がればいい 炎の季節を 僕は僕の足で 歩き切る 夜空に打ち上がる花火が 涙で滲んで見えた あの光のどれかが 親の願いのような気がした 「生きろ」 「前を向け」 「大丈夫」 その声が 胸の奥の炎に 新しい空気を送り込む 燃え尽きそうだった火が もう一度 強く燃え上がる 燃えろ 僕の未来を照らす炎よ 弱さも 痛みも ぜんぶ抱きしめて 僕は歩いていく 託された願いを胸に 夢の形は変わっていい 道が違ってもかまわない 炎の季節を生き抜いた僕なら きっとどこへでも行ける あの日の涙も あの日の迷いも すべてが僕を強くした ――燃え続ける炎とともに 新しい朝へ向かっていく 夜の風が そっと吹き抜ける それでも消えない炎が 胸の奥でゆらめいていた 歩こう 託された願いとともに 次の季節へ

