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春を産む

V6

この身果てまで 実りとなれ 朽ちゆく肉に 種を宿して 我が身は土に 我が血は雨に 死してなお 尽きぬ糧 汚れと呼ぶなら この身を裂け 穢れと呼ぶなら その手で断て 悲鳴の果てに 稲穂は揺れる 閉じた瞼に 蚕が眠る 命を繋げよ 明日へと繋げ 骸の底より 春は芽吹く 私が消えても 飢えぬように 私が消えても 絶えぬように 私が朽ちても 春よ来い この身の果てまで 実りとなれ 飢える子らには 金の穂を 凍える身には 白絹を 私の居ない 明日を生きよ 私の声なき この世を照らせ この身が消えても 消えぬもの それを愛と呼ぶなら 愛なのでしょう 白き夜明けに 糸が揺れる 誰が紡いだか 知るものも無く 私の祈りは 土に還り 名もなき季節に 花結べ この手を離れて 実るもの 遠き世までも 途絶えぬもの 私の終わりに 春が来る 私の終わりに 春が来る 殺せど尽きぬ 我が命 この身を断てど 種は死なず この血を断てど 糸は絶えず 稲穂よ実れ 命よ続け 恐れよ 崇めよ これぞ命の 尽きぬ姿 私が朽ちても 春よ来い 私の居ない 明日を生きよ 我が身は土に 我が血は雨に この世の糧へと 姿を変えて 声なき祈りは 風にほどける 私はここに 居なくとも 私が朽ちても 春よ来い この身の果てまで 実りとなれ 飢える子らには 金の穂を 凍える身には 白絹を 殺せど尽きぬ 我が命 骸の底より 春は芽吹く 私が消えても 飢えぬように 私が朽ちても 絶えぬように 白き夜明けに 糸が揺れる 私の終わりに 春が来る