
土曜日の朝。 カーテンの隙間から、やわらかい光が部屋に広がっていた。 窓を少し開けると、気持ちのいい風が入ってくる。 空はきれいに晴れている。 「今日はいい天気」 彼女は小さくつぶやいて、窓の外を見た。 身長152センチ。 少し寝ぐせのついたプラチナ色の髪を指で整えながら、部屋の隅に置いてあるアコースティックギターを手に取る。 ソファに座ると、ギターが少しだけ大きく見える。 そっと弦を鳴らす。 ポロン。 温かいコード。 やさしい響きが部屋に広がる。 土曜日の朝にちょうどいい音。 彼女はゆっくりアルペジオを弾く。 フィンガースタイルの柔らかい和音。 窓の外では、自転車の音が遠くで聞こえる。 どこかの家の洗濯物が風に揺れている。 土曜日の街は、のんびりしている。 彼女の指がメロディを弾きはじめる。 滑らかなフレーズ。 レガートでつながる音。 ほんの少しスウィングするリズム。 難しいコードなのに、音はとても軽い。 彼女は少し微笑む。 「こういうの、好き」 フレーズが少し速くなる。 細かいフィンガーピッキング。 クロマチックな音が自然に混ざる。 メロディが流れる。 窓から差し込む光が、指板の上にやわらかく落ちる。 音も少しずつ明るくなる。 メロディが上がる。 ハーモニーが広がる。 土曜日らしい、軽やかなテーマ。 彼女は小さく体を揺らしながら弾く。 そして、ソロ。 指が一気に速くなる。 高速のフィンガースタイル。 タッピング。 複雑なジャズのコードトーン。 でも音はやわらかい。 どこか楽しそうなフレーズ。 途中で、ギターのボディを軽く叩く。 トン。 ミュートした弦を刻む。 タッ、タッ。 リズムが少しだけ跳ねる。 またメロディが戻る。 最初のテーマ。 さっきより少しやさしい音。 彼女は窓の外を見る。 青い空。 ゆっくり流れる雲。 最後のコード。 ポロン。 ハーモニクスが静かに広がる。 余韻が部屋に残る。 彼女はギターを膝の上に置く。 そしてもう一度空を見る。 「今日は、いい一日になりそう」 土曜日は、まだ始まったばかりだった。

