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八百万の嘘八百も夜行バス

V5.5

提灯が滲む 硝子越し 夜行バスは 都へ続く幽霊列車 軋む窓枠 誰かの祈りが 指先で剥がれていく ハイカラ気取りの街灯り 化粧みたいに薄っぺらいね 「大丈夫」 その一言で 何人 救われ損ねたんだろう 煙草の代わりに飲み込んだ 嘘八百の熱で 喉だけが 大人になった 隣の寝息 きっと僕より まともな神様に愛されてる 八百万の神々も 見て見ぬふりがお上手で 賽銭箱みたいな心へ 願望ばかり投げ込まれる 夜行バス 揺れている 未完成だけ積み込んで 愛されたいを拗らせて 拍手ばかり追いかけた 嗚呼 浅草裏路地 ネオンの雨 夢は安売りされていた それでもまだ 救われる気でいる 馬鹿だね サービスエリアの鏡には 疲れた顔した文明開化 「夢を追ってます」 便利な言葉だった 本当は 寂しさを誤魔化すため 派手な音を鳴らしてるだけ 通知欄だけ花吹雪 現実は やけに静かだ 孤独って名前をつけた瞬間 全部終わる気がして また首元へ 嘘八百を結び直す 赤紙みたいなタイムライン 流行り病みたいに「正しさ」が巡る 八百万の神々さえ アルゴリズムには勝てないらしい 昨日まで神だった数字 今日は瓦礫みたいに崩れてる なのにまだ 拍手の亡霊で呼吸してる 夜行バス 夜を裂いて 朝焼け前の帝都へ向かう 「愛されたい」が変形して 「認められたい」に成り果てて 最後には 「負けたくない」だけ残った 大正浪漫の幻灯に 僕らの影だけ やけに綺麗だ 八百万の神もきっと こんな醜さ 笑ってる それでも歌うんだろ 壊れかけの声でさ