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アステリズム-parallax-

V6

バタンとタクシーのドア 手を振って見送って一人 「ネカフェ行くわ」って嘘ついた 財布の中身八百数十円 吐いた息が白い バッテリー11パーセント かじかむ指先 ポケットの中 昼間のあいつの言い草 引き落とし日いつだっけな 靴底のすり減る音 見上げた夜空のオリオン 弓を引く狩人に見えるんだってさ 昔の人の妄想壮大すぎる ただの星の並びなのにね 明るすぎるコンビニのガラス 縁石に座り込む知らない女の子 「こんな時間、危ないよ」 「ここコンビニの前だし平気」 缶コーヒーのホット一つ渡して 離れて座った 湯気と白い息 指差した夜空、あの星の並び 「昔の人って馬鹿だよね」 「あれで白鳥とか熊に見えるんだってさ」 ふっと笑ってひと口すする じゃあねって言ってまた歩き出した カブの音、新聞配達 酔っ払って手とか振ってみる 無視 散歩の犬と目が合って そっぽ向かれた 消えていく冬のカシオペア ひっくり返って逆さまのM あっちからみたらこっちが逆さか ただの星の並びなのにね 白んでいく空最後のひとつ 昔の人って凄いんだな 星に向かって歩いただけなのに 迷子にもなれやしない ただの星の並びなのにね