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遺物 01 《雨の夜の調律表》【Part 05】解読されたエコー

[Voice: Warm, deeply touched, slower cadence] 信号をアルファベットに直すと、現れたのは「E・C・H・O」――エコーという文字でした。 晴香さんはその文字を見て、息を呑みました。 幼い頃、ピアノの裏に隠れて父親の言葉をやまびこのように真似ていた彼女を、父は「小さなエコー」と呼んでいたのです。 しかし中学の頃、家庭の借金のために彼女はピアノを手放し、音大の夢を諦めました。 二人は激しく衝突し、それ以来十数年も口を利かないまま、父は病に倒れてしまった。 父は自分を恨んでいると、彼女はずっと思い込んでいたのです。 けれど、テープの最後に残された微かな声が、その誤解を打ち消しました。