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理性圏外

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V5.5

今日は少し ついてない それだけのことにして 雨を避けるように駅へ走って 信号 目の前で赤になる 寝癖はとうとう直らなくて イヤホンは片方 黙ったまま 買ったばかりのカフェラテを 鞄の中でこぼしてしまった 改札にも二度止められて 電車は目の前で行ってしまう こういう日はもう仕方ないねと 笑えるつもりだったのに シャッフルが選んだその歌を 君が好きだと言っていたっけ 分かってる ふたりはよく似合ってる 私だって笑って祝ったでしょう だからこれは もう済んだこと そういうことにしたはずでしょう 理性圏外 心ひとつくらい 自分で選べると思ってた 閉じ込めてしまえば 静かに消えると思ってた 正しさならいくらでも きれいに並べられるのに どうして気持ちだけ ひとつも言うことを聞かないの 今日は少し ついてないだけ たぶん それだけ 平気なふり 平気なふり 上手になったと思ってた 平気なふり その内側を まだ君だけが歩いてる あの子は君の話をすると 少しだけ早口になる 私はそれを知っているから 本当に良かったと思ってる 君があの子を見つめる顔も 私の知らない声で笑うのも 似合っているなと頷くたび 胸の奥が少し痛くて 嫌いになれたら簡単なのに 好きなふたりで困ってしまう 分かってる 誰も悪くなんてない 私だって何も壊したくない だからずっと 言わないままで 普通にしてればいいだけ 理性圏外 心ひとつくらい 私のものだと思ってた 名前をつければ 片づけられると思ってた 嫉妬だとか未練だとか いくらでも呼び方はあるのに フィクションじゃないリアルが 知らない痛みを連れてくる 今日は少し 眠れてないだけ たぶん それだけ 奪いたいわけじゃない 壊したいわけでもない 君が困る顔なんて 見たいわけがない あの子の幸せだって ちゃんと願っている 全部ほんとの気持ちなのに ただ順番が 違っていたらだなんて 浮かんでしまったイフを 頭を振って追い出す 自分の心なのに どうしてこんなにも遠いの 靴音 雨音 通知音 途切れたギター 短い電子音が 同じ場所を回り続ける 理性圏外 心ひとつくらい 自分で救えると思ってた 時間が経てば どうにでもなると思ってた 正しさだけ守れたなら 大人になれる気がしていた なのに気持ちだけ今日も あの日の隣で立ち止まる 明日なら少しくらい 上手に笑えるかもしれない 忘れることはできなくても いつも通りに笑える日も増えるでしょう 理性圏外 心ひとつぐらいが 自分じゃつかめない これは何も始まらない物語 始まる前から 終わっていただけの話 今日は少し ついてないだけ だから少し 蓋が開いただけ 雨はもう止んでいた 傘だけが見つからない 仕方ないから帰り道 新しいのを買って帰ろう 君の好きだった 青じゃない色を