
嫌だなあ、おかしいなあ
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V5.5
あたしね 見ちゃったんですよ 去年の夏 激しい雨の降る夜でした 古い木造の家でね 一人で部屋に居ると 廊下の奥から 聞こえてくるんですよ… ペタ…ペタ…って 嫌な足音がね おかしいなあ… 誰も居ないはずなのに 嫌だなあ 怖いなあと思って そーっと ふすまの隙間を覗いたんです するとね 真っ暗な廊下の突き当りに 何かが 突っ立ってるんですよ アレね 首が 曲がってるの グニャリと 折れ曲がった首で ジット、コッチヲ、見ツメテ居ルノ… 嫌だなあ… 何かが、おかしいなあ… 畳を擦る、足音が、耳元に、迫る… 開かない、ドアの、向こうで、誰が、泣いている… 後ろに、そっと、立ち続けている… あたし 慌てて部屋を飛び出して 玄関の鍵を 必死で回したんです でもね… ガチャ ガチャって音が鳴るだけで ドアが ビクとも動かない その時 耳元でね 湿った息が…ヒソヒソって 「…次は 君の番だよ」 逃げられない… 鴨居の、隙間から… 赤い目が、ビッシリ、見つめ続けている… 止まらない、悲鳴が、闇に、呑まれていく… 話の、オチは、ここにある… (Heh, heh, heh...) あたしね 気づいちゃった… 今 背後に居るの… あなたでしょ?

